MoH

実話ってこれのことか

> ところで、アフガニスタン戦争でも、似たような事態があったみたいですね。

シャヒコト渓谷の制圧を目的に実施されたOperation ANACONDAでの出来事ですね。
ヘリから落下したNeil C. Roberts一等兵曹はDEVGRU隊員で、後に救援部隊が到着した時には既に亡くなっていました(死因は落下ではなく、タリバン兵による処刑)。

そもそもこの作戦は当初、米軍特殊部隊とアフガン軍の合同部隊が渓谷の洞窟地帯に陣取る敵を狩り出し、歩兵部隊が敵の退路を断って殲滅する…という手順でした。
しかし、作戦準備を察知した敵が秘密裏に山岳地帯へ移動していたため、いざ作戦を開始してみると、部隊は投入地点のはるか上方から激しい攻撃を受けて撤退を余儀なくされます。

これによって米軍は戦術を軌道修正し、まずは渓谷全体を見渡せるポイントであるタクルガル山頂を確保するため、DEVGRU隊員6名とCCT(空軍戦闘航空管制官)隊員1名から成るチーム2個の投入を決定。チームはチヌーク2機に分乗して出動しますが、1機目が兵員を降ろし終えるや否や計ったように敵の銃撃が浴びせられ、慌てて撤収。この時に不運にもNeil Roberts一等兵曹がヘリから滑落してしまいます。
また、ヘリ自体もダメージが大きく、撤収途中でついに不時着してしまい、乗っていた隊員達は僚機に救助されて一度は基地へ帰還しました。
基地へ戻った彼等はRoberts一等兵曹救出のために装備を整えてヘリに乗り込み再びタクルガル山頂を目指しますが、またもや敵の猛攻に阻まれて撤収を余儀なくされています(なお、この時にCCTのJohn A. Chapman二等軍曹が戦死)。

その後、最初の事故の一報を受けて現場へ直行していたQRF(即応部隊。レンジャー隊員19名と空軍の特殊戦術隊員3名および戦術航空管制官1名)が同じくヘリ2機に分乗して現場に到着するも、やはり激しい攻撃を受けてレンジャー隊員3名と第160特殊作戦航空連隊の銃手1名が戦死。残った兵員は釘付けにされてしまいます。
しかし、レンジャー隊員の粘りと空軍要員の的確なCAS(近接航空支援)誘導で、彼等は半日以上敵の猛攻を凌ぎ切り、敵の攻撃が弱まった隙を見て撤収したということです。
また、この時に付近で隠密偵察活動中だったオーストラリアSASのチームが自分達の任務を放棄して支援に回っており、彼等には後に米軍のブロンズ・スター勲章が授与されています。


この出来事は、異軍種間(この場合は主に陸軍と空軍)の連携の杜撰さが招いた代表的なケースとして、近年語られることが多いですね。
作戦を指揮した米陸軍少将が後に米軍の機関紙上で、空軍を批判したりと物議を醸したこともありましたし…(-_-;

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