最近の写真機界隈雑感

富士のFinepix X100が発表されましたね

APS-Cサイズのセンサーに1230万画素
反響はなかなかよろしいようで、はやくも「ほしー」という声が聞こえてきます。
なんだよ、おまえら結局こういうのが欲しかったのかよ。
ユーザが求めてたのは「カメラっぽいカメラ」だったんですね。なんだ、がっかりだ。言うたらデジカメにレトロなラッパーかぶせただけですよコレ。いや欲しいか欲しくないかっつったら欲しいけどさ。でもそれってなんていうかデザイン的には退行してんじゃないのかなって思ったりします。いかにもそれっぽいモノ、作ってそれががバカウケするっていうのはなんだかね。
「カメラ感」が大事だよねっていうのはわかります。レスポンスだったりシャッター切ったときの感じだったりトータルの画作りだったり。ユーザーエクスペリエンスの部分で「カメラですよ」って主張は重要だったりします。カメラぽくないデジカメよりカメラっぽいデジカメが欲しい。でもこれってやっぱ退行だよな…。いや欲しいか欲しくないかっつったら欲しいんだけど、それはそれでくやしくもあり。


で、最近のNikonですがどんどんダメになっていってますね。まあもともと俺キャノン党なんで最初からニコン眼中にないってのもあるんですが、それにしても凋落の一途を辿っているようにも見えます。かつてキャノンと2巨頭だったプロ用途でさえ衰退してきてるような印象。

OlympusはEP1のヒットで復興中ですがこれもいつまでつづくのか。Sonyの台頭は著しいですね。ミノルタの遺伝子がうまくソニーの技術と結びついてる感じで良い印象です。昔のαがこけまくってただけに中の人の感慨もひとしおでしょう。マーケティングの方が大きいのかも知れません。ペンタは645Dシリーズも一部では盛り上がってますが画質みた感じでは35mmサイズのハイエンド一眼と比べてそこまでのアドバンテージがあるようにも見えず。まあレンズ資産がある人には良いんでしょう。ペンタはコンパクトカメラが継続してヒットしてるので全体としては安泰なんでしょう。コンデジ界隈で言うとパナが着実に力を付けてます。ソニーとペンの中間にうまくポジションしてます。特に動画機能にうまさが光ります。リコーは昔からあんまり変わらないポジションをあいかわらずキープ。かつてコンデジ分野を制覇する勢いだった富士もふたたび天下を取るのは難しそうですね


今後についていうとコンデジ界隈でも動画機能付きが当たり前になり、コンパクトさや画素数では差別化が打ち出しにくい情勢です。技術的飽和状態ですね。そこに韓国勢も容赦ない攻勢をかけてきつつあってボケっとしてると食われるでしょう。といっても価格的にはすでに底打ってる感はあるのでさらに低価格路線を狙うのはうまみがなさすぎる気も。まあこのへんのゾーンはカメラというかアクセサリーに近いのでスペック云々よりブランド力で売っていく戦略しかとれないのかも。コンパクト一眼とか携帯カメラの高性能化もあってコンデジ自体が必要かっていうと微妙になりつつもあり。「写真撮りたい欲」を満たすにはモテカワスリムなコンデジじゃやっぱユーザが納得しなくて、カメラカメラしたような、前述の「カメラ感」が求められるわけです。そう考えると「写真撮りたい」ていうのはどちらかというとフェティッシュな欲求なんだなー。写真好きな人は写真が好きじゃなくてカメラが好きなんだ。というのはすでに定型句なんですが「カメラが好き」というのもまたちょっと違って「写真を撮ってる自分が好き」なのかもなと。カメラ開発にあたっては技術向上に地道をあげるよりこの「写真を撮る」にまつわるエクスペリエンスコントロールに主眼をおくべきなんだろうなぁなどと
ネット環境の充実でそのへんのユーザ動態てのは著しく変化したたわけで、いまさら言うと。いまの若い子ってプリントしないらしいんですよ、これもどっかで聞いた話ではあるけど。撮って、デジカメのモニターで見て、いらない写真は消す。プリントせずにデータをコピーする。焼き増しじゃなくて写真共有サービスにアップする。だから「写真を送る」とか「共有する」とか「見る・見せる」に特化したカメラがそろそろ登場してもいいのかもしれません。すでにあるのかもしれないけど、ていうかそれ携帯か。EyeFiは近いんだけど、おしいって感じ。ちょっと違う。専用のデータプランさえ用意できれば(キンドルみたいな)3G対応のデジカメが出てきてもいいのになぁとか思います。


一眼デジカメ界隈はもうこれ以上求めることってあとレンズ性能とバッテリー性能、視野率、動画性能ぐらいしかないので上は見えてます。キャノンの牙城はしばらくは安泰でしょう。プロ用途だとレンズ資産との兼ね合いもあってよっぽどのことがない限り移行しないだろうし。


コンデジと一眼の中間層は高級コンパクトとコンパクト一眼が食い合ってますがマーケット自体がそこまで大きくないのでねぇ。ただ海外に目を向ければ売れる要素はかなりありますよねと。上のX100なんかはまさに高級コンパクトどんぴしゃで所有欲を満たす部分に重点を置いてます。
レンズ交換可能なミラーレスが出てきてコンパクト一眼の存在意義はますます薄れてはきてます。ただ価格的に高級コンパクト>コンパクト一眼な逆転が起きてるので競争力的にはとんとんぐらいかな。マイクロフォーサーズレンズ高いし微妙だし


街のDPE屋さんはもう完全に先細りですね。デジタル領域で全部完結しちゃうから。まあでもプリント需要はそれなりには残るんだろうなぁ。カメラ屋さんとしても大型量販店に対抗できないのでイキロとしか言えねーです。あとは記念写真とか集合写真とかのサービス分野に力を入れるぐらいでしょうか。もうそろそろ「フィルムに拘る親父」クラスタがデジタルに大移動するというかもうその流れになってるのでラボの存続も厳しいかなぁ。貸しラボとか完全になくなっちゃうのもあれだとは思うけど。35mmフィルム自体がすでに入手困難になりつつある状況。「写るんです」はそれ自体は優れたプロダクトなんだけど近所のラボが全滅しちゃうとどこに出せばいいんだってことになっちゃうし。コンビニの現像サービスもいつまで続くのやら…


すっごく個人的な願望を言うと24-135mmぐらいのズーム域でマイナス15℃まで耐えられて、防水で、手袋のまま操作できる。100gぐらいのデジカメがあったら欲しいです。ワイド端は低ければ低いほどよくて28mmだとちょっと足りないかなあ。20mmとは言わないけど24mm欲しいです。山用デジカメ開発してよどっかのメーカー