AR-15にバッファーチューブがある理由


  • AR-15の原型であるAR-10はとにかく軽量であることを主眼に設計されていた
  • 7.62mmNATO弾を使用する軽量なライフルの制御を容易にするために直銃床と反動を緩和する為の緩衝装置を必要とした
  • 設計当時、折り畳み可能なストックというオプションは必須と見做されていなかった
  • よってバッファ(緩衝)部分を含んだ長いボルトキャリアを、バレルからまっすぐ伸びた直銃床の内部に収めるのは合理的な選択であった
  • 分解・組み立て方式がアッパーレシーバーとロワーレシーバーを前後にスライドさせるスライド式から2本のピンで固定されたピボット式に変更されたとき、バッファを含んだ長いボルトキャリアはバッファ部分(リコイルスプリング&リテーナー)とボルトキャリア部分に分割され、バッファ部分のみが銃床内に格納されることになったが、実際にはボルトキャリアと一体となって作動する
  • 5.56mmNATO弾は7.62mmNATO弾より衝撃が少ないため、例えばバッファのないショートストロークガスピストンでも制御は容易ではあるが、根幹的な設計変更はコルト社の望むところではないためAR-15のバッファチューブは残されることになった

7.62x51mmNATO弾という強力な弾薬を使用するライフルでありながら軽量と制御の容易さという相反する要素を両立するために、バッファを含んだ非常に長いボルトキャリアグループを必要とした、その名残がまだ残ってるんだなぁという