MW2ユーザって基本実銃の知識がなさすぎなんだよな
ゲーム上のパラメータでしか知らないって奴多すぎ
まあ銃オタの存在比率がタカが知れてるから売れてるタイトルほど銃オタ比率は下がりがちよね、と
そこで銃オタとも言えない程度の微妙な知識の俺がおぼろげな記憶でライトにレクチャーしてみるよ
弾丸
まずは弾丸でしょ、ということで弾の話です
銃っつうのは基本弾丸を発射するための装置なのでね
銃砲の歴史を紐解けば、600年頃だったかな?黒色火薬の発見発明にはじまり、大砲として戦場投入されたのは遅くとも13世紀ごろ
発想としては大砲を小型化していった結果、15世紀には火縄銃やマスケット銃のような先込めの銃(前装銃、マズルローダー)が登場します。
しかし先込めは使いづらい。装填に時間がかかるというので一発分の弾丸と発射薬を紙で包んだ紙製薬きょうの原型が登場。射撃姿勢も保てない、ということで17世紀には後装式(ブリーチローダー)の銃が登場。その後もさまざまな紆余曲折を経て無煙火薬と金属製薬きょうが登場するのが19世紀ごろ。
薬きょう式の弾丸は雷管、発射火薬、弾頭を備え、雷管(プライマー)をぶっ叩くと発射されるので、これだけで発射機構そのものは完結しているといえますな
過渡期にはパーカッションリボルバーのような回転式の先込め拳銃もありました。これは回転式薬室に前から火薬と弾を入れて後ろから雷管のキャップをかぶせ、ローディングハンドルで押し込むという機構。現代のリボルバーのようにスイングアウトはせずにシリンダーごとゴロっと外して入れ替えって感じです。この頃は黒色火薬で発砲煙もものすごいです。それが好きっていうブラック・パウダー愛好家の方も少なからずいらっしゃるようでパーカッションリボルバーもまだ製造してるとこがあったはず。
映像のがわかりやすいですね
当然ながら現代戦であるMW2ではすべての銃が薬きょう式
弾丸の種類でみるMW2の銃
今現在流通している弾丸というのはめちゃくちゃ種類が多くてですね、たとえば9mm口径だけでも9mmショート(9x17mm)とか9mmパラベラム(9x19mm)とか9mmロング(9x21mm)とかあるうえにヤード・ポンド表記とメートル表記が混じってわかりづらい。同口径の拳銃弾でもオートとリボルバーで形状が違います。45口径とか50口径ってのはインチ換算で弾頭の直径が0.45とか0.50インチという意味です。7.62mmはインチで言うと0.308で308口径、5.56mmは0.223インチで223口径です。で、7.62x51mmNATO弾と.308ウィンチェスター弾はほぼ同じなんですが、5.56x45mmNATO弾と.223レミントンだとサイズはほぼ一緒だけど微妙に互換性がないとかあってメンドクサイです。口径の後の51mmとか45mmってのは薬莢の長さ。実際の弾のサイズはこれに弾頭の長さを足した長さ。ライフル弾だとボトルネック形状で弾頭の径より薬莢が太いので太さも口径より一回り太くなりますね。拳銃弾では弾頭径より薬莢の厚み分太いという感じ。たとえばバレットの50口径BMG弾だと全長で138mmぐらい、薬莢の太さは20mmちょいとかなり大型です。実際見るとこんなん人に撃って良いのかよというサイズ。まあそれでも20mm機関砲の弾丸よりは小さいですけど。
たくさんある弾種もまだ増えていて、最近だと6.8mmっていう5.56mmNATO弾と7.62mmNATO弾の合いの子みたいなアサルトライフル用の弾丸も出てきました。まあこのへんのトレンドとか次期トライアルの話は正直追っかけてないんで良く知りません。
んで、数ある弾種の中でMW2に出てくるのは以下のとおり
大きく分けてライフル用の弾丸と拳銃用の弾丸に分けられます。MW2の登場武器ではAR、SR、LMGがライフル弾、SMG、HG、マシンピストルが拳銃弾、SGは当然散弾。P90がライフル弾と拳銃弾の真ん中ぐらいの専用弾。散弾については後述しますが一般的に言ってライフル弾は拳銃弾と比較にならないぐらい威力が高いです。有効射程もライフル弾が500〜800m程度、拳銃弾が200m以内。実際の有効戦闘距離はもっと近いです。アイアンサイトで500m先のマンシルエットなんて点にしか見えないですからね。たとえばアメリカでの銃撃戦(民間の)のほとんどは7mぐらいの距離で行われてたりするって統計があったような(おぼろげ)。MW2のマップで500mなんて距離の射線はとれないのでせいぜい長くても40m程度、ゲーム内のほとんどの戦闘は25m以内(4分の100ヤード、つまりCQBですね)で行われているということは頭の片隅に置いておきましょう。
- ライフル弾
.50BMG(12.7x99mm NATO弾) | バレットM82 |
.408 CheyTac(10.4x77mm) | チェイタック・インターベンションM200 |
.308ウィンチェスター(7.62x51mm NATO弾) | SCAR-H、FAL、M240、M21 EBR、WA2000 |
7.62x39mm弾 | AK-47、RPD |
5.56x45mm NATO弾 | M4、FAMAS、F2000、M16A4、TAR21、ACR、L86 LSW、MG4、AUG HBAR |
5.7x28mm弾 | P90 |
- 拳銃弾
.50AE(12.7x33mm | デザートイーグル |
.45ACP(11.43x23mm) | UMP45、Vector、USP.45 |
.44マグナム(10.9x33mm) | アナコンダ |
9x19mm(9mmパラベラム、9mmルガー) | MP5K、Mini-UZI、M9、PP2000、G18、M93R、TMP |
ずらっと並べてもわかりにくいですが、バレットの50口径BMG弾はでっかいです。かなりでかい。反動も威力も高くカウンタースナイプに用いられる対物ライフル弾
インターベンションの.408チェイタックは専用弾で50口径よりは小さい。そもそも狙撃用ではない.50BMG弾に対して長距離・高精度の狙撃に特化して開発された弾
7.62x51mm NATO弾は単3乾電池よりちょっと細くて長いライフル弾でかなりメジャーなNATO制式弾。のちに5.56x45mm NATO弾に置き換えられますが、まだまだ活躍中
7.62x39mm弾はロシアのライフル弾。AK47と共に世界でもっとも普及しているライフル弾の1つ
5.56x45mm NATO弾は現代のアサルトライフル用としてはもっともメジャーな弾。7.62x51より小さく、銃の小型化と携行弾数を増やすことができるのがウリだが威力が低すぎるとの声もある
5.7x28mmはP90の専用弾でライフル弾と拳銃弾の中間のサイズと性能。弾丸の形状はライフル弾のようなボトルネックのあるシルエットで小口径ながら初速が大きく貫通力が高い
50口径AE弾はオートマチック用の50口径弾。上の.50BMGとは口径は同じでもサイズはぜんぜん違います。拳銃弾の中ではかなり強力な部類
.44マグナム弾も拳銃弾の中では強力。手首が折れるとまで言われるほど反動が強いので有名(オートの方が反動はマイルド)
.45ACPはオートマチック用の45口径。ACPはAutomatic Colt Pistolの略。威力は9mmパラと同程度
9x19mm弾、俗に9パラ。拳銃およびSMG用弾丸としては世界でもっとも普及している弾種
まあこれも映像でどうぞ
こうして見ると高威力な筈の7.62x51mm弾を使用するSCAR-Hが5.56x45mmのTARやM16、FAMASと同じだったり、M240がMG4と同威力だったりと少し納得いかない威力設定
バレットももう少し高威力設定で良いと思うんだが…
散弾
1つの薬きょうに1発(スラッグ弾)から数百発までの小さな鉛玉を詰め合わせて一度に発射できるのが散弾です
もともとは狩猟用ですね。鳥や小動物をしとめるには散弾のほうが都合がいいです
MW2に登場するショットガンは対人用に大きめのバックショットと呼ばれる8〜12発の散弾を使用してます(マスターキーは本来スラッグショット)
ショットガンの口径はゲージで表され数が小さいほど大口径。レンジャーがおそらく10ゲージ、スパス・ベネリ・AA-12・Strikerが12ゲージ、M1887が10ゲージと12ゲージのどっちか、マスターキーはM870なのでおそらく12ゲージ
散弾は南北戦争の頃には実戦で使われはじめ、第一次大戦やベトナム戦争の塹壕戦でも活躍してます。MW2ではスパス・ベネリ・AA-12・Strikerなんかはもとから対人用に開発されたコンバットショットガンですな
レンジャーのようなソウドオフ(切り詰めた)ショットガンはほとんどの国で所持禁止です
メーカーで見るMW2の銃
- FN(ファブリック・ナショナル)社
- SCAR、P90、M240、F2000、FALと何気に最多エントリーなベルギーの元国営企業
- H&K(ヘッケラー&コッホ)社
- MP5K、MG4、UMP45、USP。ほかにもG3、G36シリーズ、PSG-1などが有名なドイツのメーカー
- アーマライト社
- M4、M16A4の開発元(のちにコルトに売却)。M4はM16A2カービンからの派生型で現在の米軍の主力
- コルト・ファイアーアームズ社
- M4、M16A4の製造元で古くはコルトSAA(Single Action Army、別名ピースメーカー)やコルト・ガバメント(M1911)などで有名なアメリカを代表する拳銃メーカー。MW2では他にアナコンダ(.44 Magnam)とM79(Thumper)、M203(アンダーバレルドグレネードランチャー)。アナコンダはシティハンターで冴羽〓が使っていたコルト・パイソンの廉価版であるキングコブラの後継
- レミントン・アームズ社
- ACRの製造元(開発元はマグプル)。マスターキー(M870)もここ。伝統あるアメリカのメーカー。CoD4のR700(M700)やM40(M700の海兵隊モデル)の製造元でもある。
- ワルサー社
- ルパンのワルサーP38やボンドのPPKで有名なドイツのメーカー。WA2000はボルトアクション並みの精度を持つセミオートスナイパーライフルとして開発された。たしかに精度は高いが重く、なによりも高価すぎて失敗した(といってもバレットよりは安い)
- バレット・ファイアーアームズ社
- M82に代表される50口径ライフルを主力とするアメリカのメーカー
- チェイタック(シェイタック)社
- 長距離狙撃ライフルを専門とするアメリカのメーカー
- ベレッタ(ファブリカ・ダルミ・ピエトロ・ベレッタ)社
- 400年以上の歴史を持つイタリアの大手メーカー。拳銃から機関銃まで幅広く製造・開発。MW2ではM92(M9)とM93Rが登場
- ステアー(シュタイヤーマンリヒャー)社
- AUG HBAR、TMP。オーストリアのメーカー。TMPはのちにスイスのB&T(ブリュッガー&トーメ)社に売却されMP9と名前が変わっている
- グロック社
- オーストリアのメーカー。設立は1963年と最近である。唯一のラインナップであるポリマーフレームのハンドガンが有名。ハンマーレスの独特の機構を持ち、安全装置はトリガーに仕込まれているためシンプルな外観。軽いためアメリカの警官(向こうは自費購入だからね)に人気がある。G18はG17のフルオートバージョンで民間では所持販売は禁止。(追記:オフィシャルスポークスマンはハートマン軍曹役でおなじみのR.リー・アーメイ)
- TDI(Transformational Defence Industries)社
- Vectorの製造・販売元(設計はマグプル)。クリス・スーパーVは反動吸収機構の名称
- IMI(イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ)社
- ミニUZI、デザートイーグル、TARだが現在はIWIに移行。社名の通りイスラエルの軍需企業。
- フランキ社
- スパス12(現在生産停止)のメーカー。ベレッタ傘下
- ベネリ社
- 現在母体はオートバイメーカーとして中国企業の傘下である。銃器の製造部門は別企業としてフランキ社とともにベレッタ傘下にある。
- レイセオン社
- 意味は「神々の光線」。MW2ではスティンガーとジャベリンが登場。他にもサイドワインダーやスパロー、パトリオットなどを手がけるアメリカの軍需企業で世界1位のミサイルメーカー。電子レンジを開発した
- SAAB(サーブAB)社
- スウェーデンの軍需企業。車のサーブと元は同じ企業であった(現在は完全に別企業)。戦闘機ビゲンやドラケンでも有名。MW2ではAT4 HSが登場。
- ウィンチェスター社(ウィンチェスター・リピーティング・アームズ・カンパニー)
- M1カービンの設計、M1ガーランドの製作でも知られ、西部劇に必ず登場すると言っても過言ではないライフルのシリーズで西部開拓時代を支えた古き良きアメリカの代名詞的メーカー。1980年に倒産し、USリピーティング・アームズと名前を変えた後、FN傘下になる。M1887のオリジナルメーカー。前にも書いたけどMODEL1887のModelは形式という意味であってけしてモーデルというメーカーではありません!M9やM16、M4などのMと同じ意味だからね、間違えないように
FAMASとかM21とかは国営造兵廟なので省略
AA-12とかStrikerもマイナーメーカーすぎるので省略
他にも以下参照