あれあれ

よくいわれる「アートは難しい」という言葉ですが、意外と深い問題を孕んでいるように見えます。こういう言葉を聞くと僕たちミュージアムのスタッフはつい「いえいえ、そんなに難しいものではないんですよ〜」なんて苦笑いしながら言ってしまいがちですが、本当にそうなんでしょうか? もしアートがすごく簡単で親しみやすいものばかりだとしたら、そちらのほうが良いことなのでしょうか? いつも悩んでしまいます。

実際アートと呼ばれるもの、またはそこに表現されているような人類の知の活動というのは、日常生活の中で親しみやすい思考のパターンだけではありません。日常生活を平穏に暮らしている目線からすると、突拍子もないような論理や発想もそこには存在します。そしてそれは多くの場合、決して奇を衒ってそうなっている訳ではなく、そうなる必然があってそうなっている、としか言いようの無いものが多いのです。

簡単に説明することを求められる職業が教育普及だとは思うのですが、その立場から言いにくいことを正直に言ってしまうと、アートはそんなに簡単な物ばかりじゃないよな、というのが率直な意見です。だから、すぐに簡単に「分かる」ってことはあまり無いんじゃないかなと思うし、それが普通だと思うのです。

http://www.artscape.ne.jp/artscape/blogs/blog2/2009/06/post_110.html
繰り返しになっちゃうけど、作品としての"アート"と価値基準のフレームワークとしての"アート"をごちゃまぜに語っちゃいかんと思うのよね
「わかんない」って思われてるのは作品じゃなくて作品に付いてる価値の方でしょ?
アートマネジメントに関わる人たちがこの程度の考えじゃ困るんだけどなぁ…世の中的に…