高張力の簡易倍力システムの構築

仕事で37倍力を組んだのでメモ
11倍力システムに4<->5倍力の偽AZTEKのサブシステムを組み込んで、図のとおり37<->38倍力になる
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偽AZTEKは前書いた記事*1と違ってダブルプーリー2個とプルージックコードではなく、[ダブルプーリー] <-> [シングルプーリー+ミニトラクション]の組み合わせになっている。


偽AZTEKなしでも11倍力として動作する。
メインシステムを11倍力で締め込んでおいてから、偽AZTEKサブシステムを使ってさらに締め上げる
http://cache.gyazo.com/eb603aaa029f6de12c09e675199601bf.png


仮にサブシステム側を30kgで締め込むと30kgx37/38で1,110/1,140kg、50kgだと1,350/1,400kgの張力が計算上は発生することになるが、実際はロープの摩擦などもあってかなりロスが出ていると思う。プーリーの径も小さいし。*2
まあこれでも今回の用は足りたから十分っちゃ十分なんだけど


セットは手間だがそこまで複雑というわけではない
実際には3本ハイラインを張らなければいけなかったので、システムを付け替えつつ順番に3本締め込んでいったのでかなり面倒くさかったが…。時間的にも2時間以上かかっただろうか。慣れればもう少し早くできるとは思う
やってみてわかったのは、サブロープに11mmのスタティックを使ったのだがSMCのJR/JRBプーリーの径だとちょっと太くて摩擦が大きいっていうのと、サブシステムを何度か往復させているとテンションでロープがどんどんねじれてしまう。そのため付け替えの度にバラしてロープをほぐさなければならなかったのがちょっと誤算だった。もう少し大きな径のプーリーを使うか、サブロープの径を8〜9mmのスタティックに変えた方が良かったかも。これは今後の課題


使用資機材は

1 オートストップ下降器(Anthron/Lory) 1
2 アセンダー 3
3 Kong/Duck 1
4 カラビナ(HMS) 1
5 カラビナ(オーバル) 5
6 スイベル 1
7 ダブルプーリー 1
8 シングルプーリー 3
9 Petzl/ミニトラクション 1
10 サブロープ(11mm スタティック) 15m
11 シンギングロック/スモールオーバル 1

にメインロープ
http://cache.gyazo.com/eae3c493af78dcc9e76d6d731c631f07.png
コング/ダックのこの使い方に関しては前記事*3にも詳細を追加しといたのでご参照のこと
正直スイベルは無くてもよかった。スイベル減らすとカラビナも一個減るし
あと手元にたまたま3個アッセンダーがあったから使ったけど、無ければプルージックでも代用できそう

*1:http://d.hatena.ne.jp/durrett/20111212/1323643249

*2:"ロープ直径の4倍径のプーリーでのロスは10%"とのことなので各プーリー毎に10%ずつのロスが発生するとして、サブシステム内で46%のロス。最終的には下降器を除いても80%近いロスが発生する計算になる…はず…

*3:http://d.hatena.ne.jp/durrett/20111017/1318796793