コワイ

こわいあぁおようおこわいゆおこわいよぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!!!!!!
うぅっぅわぁぁわあさら;lkjlk;あqwせdrftgyふじゅいこおl

とにかく恐ろしかった
そしてそこから逃げ出した
まるで追われてでもいるかのように、目一杯車をとばして逃げた
そう、逃げたんだ

その肥大した乳腺も
痛々しいまでに痩せ細った体も
人懐っこさも
金色の目も
前の方しか生え揃っていない歯も
コンビニの前でこれみよがしにかまっていた二人の少女も
なにもかもが空恐ろしく思えた
背筋が凍るほどに

人に慣れた野良は決して長生きできない

やがて醜く皮膚病に冒され
乾燥したセメダインのような目やにに覆われて目は塞がり
よだれと膿でただれた毛並みを雨水抗に横たえるのか
あるいは車に轢かれてあばらを砕かれ
鮮やかなピンクの内臓をアスファルトに撒き散らし
その飛び出した虚ろに濁った目の玉を蟻が這い回るのか
それはわからない

だがはっきりと"死"がその先に待ち受けていることを私は知っている
誰かに拾われるなんて幸運は野良にはめったに訪れないのも私は知っている

"救えなかった命"…だ
救おうと思えばできた、だがそうはしなかった
キリがない
私には我が家を猫屋敷にする程の覚悟がない
なにより今いる3匹に対する責任を全うできない
私は目の前の子猫と、家にいる3匹を秤にかけ、迷いなく後者を選んだ
どうしても引けないラインだ

あの少女は気付かなかったろう
人に摺り寄って気紛れに餌をもらうより他に
何一つ生き抜く術を知らない雌が
どれほど過酷に生き延びなければならないかを
そういう猫の死に様が今の愛くるしさとかけ離れたものであるということを

そして私は逃げた
通りすがりの猫に責任を負うことを恐れて
二人の少女の、可愛がり様とは正反対の無関心さを恐れて
頭の中で鮮明に写し出される、その子猫の変わり果てた姿のイメージを恐れて

夜の車列を苛立たし気にすり抜けながら
手についただ液の匂いだけがどこまでも追い掛けてくるような気がした
そして今も震えている
自分の醜さに怯えながら…