齋串

イグシ、またはイミグシ


http://akahiro.at.webry.info/200909/article_5.html

齋串〔いぐし〕立て神酒〔みわ〕坐〔す〕ゑ奉〔まつ〕る神主部〔かむぬし〕の
     髪華〔うず〕の玉蔭見れば乏〔とも〕しも   万葉集3229

梳〔くし〕も見じ屋中〔やぬち〕も掃〔は〕かじ草枕
     旅ゆく君を齋〔いは〕ふと思〔も〕ひて    万葉集4263


http://www.occpa.or.jp/site/naniwakyu/40html/52_igushi.html

斎串は忌串とも書き、木の枝や薄い板・細い角材を串状につくったもの。神を招くときの依代、神への供物、また災いを除ける祓いの道具などとして用いられた。写真左の1点は8世紀中頃〜後半の溝から出土し、他の3点は奈良末〜平安初期の井戸から出土している。


http://hokuriku.yomiuri.co.jp/hoksub2/hokuexp/isi/isi_nanao2.htm

 県埋蔵文化財センターは8日、七尾市小島町の小島西遺跡から、奈良時代末期から平安時代初期にかけて祭礼で使われた約1000点にも及ぶ木製祭祀(さいし)具が出土したと発表した。出土場所が長さ20メートル、幅5メートルの範囲に集中、整然と並んだ状態で見つかったことなどから、同センターはここで何度も国家的な祭礼が行われたとみて、中世の祭礼の形態を知る貴重な資料になると期待を寄せている。

 祭祀具が出土したのは、8世紀末から9世紀初頭の地層。「斎串(いぐし)」と呼ばれる短冊状の板約500点を含む人や馬、弓の形をした木片など計約1000点が、北東から南西方向に向かって規則正しく並ぶような形で発掘された。

 同センターによると、木製祭祀具は、静岡県浜松市の伊場遺跡や、兵庫県出石町の袴狭(はかば)遺跡群など全国で見つかっているが、これほど集中して大量に出土した例は初めてとい


http://www.npmh.net/tayori/number/36/main3.html

屋代遺跡群(千曲市屋代)では7世紀後半から8世紀初めに、湧水のまつりと導水のまつりがおこなわれていました。湧水のまつりは溝の底に穴を掘りました。まつりのあとに穴を埋め戻し、まつりに使った石製模造品・卜骨(占いに使った骨)・獣骨などを廃棄しています。卜骨が出土し占いもおこなわれてい導水のまつりは水の流木樋や水門など導水施設の周辺でおこなわれました。導水施設の周辺から刀形・斎串(いぐし)・琴形・舟形などの木製祭祀具、獣骨などが出土しました。


屋代遺跡群では、自然流路からも木製祭祀具が見つかっています。祭祀具は斎串・人形(ひとがた)・馬形(うまがた)・蛇形(へびがた)が基本です。斎串は、まつりをおこなう神聖な場所を区切るため地中に刺したと考えられています。人形は人の代わりに罪や穢(けが)れを移して流す「祓(はら)え」に使用されたと思われます。馬形は、人の穢れを負った人形を他界へ送る役割をもつとされます。蛇形は、水を守る生き物とされる蛇をあらわしています。「祓え」は、「禊(みそ)ぎ」とともに、律令制度下の宗教儀式と密接なかかわりがあります。屋代遺跡群では、導水・湧水型の古い在地的なまつりが国家に関わる制度に組み込まれ、中央のまつりに変化したことがうかがえます。


http://akahiro.at.webry.info/200909/article_5.html

「くし」には、串、櫛、酒〔くし〕、くし〔奇・霊〕などの意味があります。

「くし」には、「くす〔奇〕し」や「くすり」と同じ「不思議な力を持つもの」という言葉の「奇し」
同音ですので、串、櫛、酒〔くし〕にも、同じく「くすしきもの」のニュアンスがありそうです。

■ まず、串カツの「串」ですが、細長い木や竹の棒で刺し貫くものを「串」といいます。
また、細い歯を多く列ねて髪に刺したり、髪を梳〔くしけず〕るものを「櫛」といいます。

串と櫛とは同じ語源から分かれたものですが、
串には神事的な榜示〔ボウジ〕の意味があり、
串を地に刺して立てることは、そこに神を迎えいつくことを意味しました。


齋串は忌串とも伊串とも書くようです。伊串は地名もあり姓もありますが姓の方が地名姓なのかどうかは不明
齋の字は{物忌み}の意で、忌と書くと不吉な言葉のようですが、万葉集にも{いわう}と読まれてるとおり本来は「清め祓う」というニュアンスの神聖な語なのでしょう。地鎮祭などで行われる鋤・鍬・鎌の儀式もそれぞれ齋鋤、齋鍬、齋鎌などと呼び習わしたりもしますね。また同じく地鎮祭では玉串奉奠の儀が行われますが串が単なる棒状の物を意味するのではなく、依り代的な神聖な意味も備えてようです。もっとも今の建築神事では齋串を使うことはなさそうです。いろんな神主さんにお会いしましたが私は見たことないです。推測というか妄想に過ぎませんが。穢れを落とすという意味がだんだん穢れそのもの忌避を意味するように変わっていったのかも知れませんね


調べてて気づいたんだけど齋は簡略に書くと書斎の斎と同じ字なんだなー。ま、それだけだけど