死と表象

例えばレイアウトという言葉は、死体を棺の中に入れるために整えるということから派生しているのでしたよね?

表象やイメージという言葉にも「死者の代わり」という意味があった。表象、イメージ、レイアウトといった言葉は、すべて死者をどう扱うかという問題と深く関わっている

Random Talk in Ramdom Walk:東京大学大学院助教授 田中純(たなかじゅん)×グラフィックデザイナー 戸田ツトム(とだつとむ)〜都市・イメージ・記憶〜
http://www.surfcom.jp/shop/randomtalk/03index.html

田中:(中略)例えば、非常に荒っぽいタッチで描いているフェルメールの絵は、空間的な距離をおいて見るときにはじめて画像として立ち上がる。これを時間性の構造として捉えると、明確に記号化されていないものが、時間的な前後関係のなかで、徴候や索引などになる、ということです。

戸田: 凄まじいご指摘ですね。フェルメールの絵はそのキャンバスには現前していません。視る者の明視距離が誘導した架空の画面に絵が精密な輪郭をともなって投影された瞬間に、フェルメールの絵が現われます。