1Q84ネタバレありでいろんな意味で要注意

A氏宅で1巻の半分ぐらいまで読んだらお腹いっぱいになって残りはパラパラと読んだ
おおかたの設定はざっと出て、2つの平行する物語がこれから絡み合って行くというのはなんとなくわかったが、この厚さでここまでの進行、で、これがあと2巻続くのかって考えるとちょっとげんなりしたのも確か
殺しの後はセックスせずにはいられない完璧主義でハゲ専で老け専の美人殺し屋(しかも親のカルト信仰のトラウマというオプション付)に、謎の老婦人(しかも莫大な富と権力を持つ)とゲイマッチョの用心棒(繊細さと暴力を兼ね備えた的な)というかなりアレなストーリーと、数学講師で小説家志望の元柔道部(しかも親の職業由来のトラウマというオプション付)という何者でもないがゆえに誰しもが共感し得るご都合設定のお手本的な脱青年期の男と、文学賞を約束された巨乳でエキセントリックなクール系美少女(しかもサヴァンでしかも秘境で秘教なコミューン出身ってオプション付っていうか巨乳の長門)を巡るこれまたアレなストーリーと、さらにそこに絡んでくる謎のカルト集団と世界を変えんとする謎のカリスマ教祖に謎の小人リトル・ピープル(リトル・ピープルてw)っていうこれもろセカイ系なストーリーの天下一武道会
あったはずの現在は捻じれて新たな現在となり、虚構と現実が混じりあって二つの月を持つあちらがわの世界が徐々に立ち現れる…ていうかこれラノベだよね、設定がまんまラノベ
まんまラノベな設定を、しょっぱなのヤナーチェクにはじまって平家物語のロングサンプリングから平均律クラヴィアの数学的美しさを語り、マクルーハンまでさらっと引用してのけるという春樹節というか春樹的中二病炸裂でとばすとばすw。もうこれ「オタ臭いクドい鈍重なじゃんがらこってり全部乗せ」以外の何者でもない。これがバカ売れするって一般ピーポーはこういうくすぐられ方に弱いんすかと。春樹先生さすがですとしか言いようがないねどうも。けして批判的な意味じゃなくてね
で、いろんな方面をあの手この手でくすぐるごった煮カオスな設定を、のっけからセックスとバイオレンスでノリノリでドライブしてくれるから、「あれ?これなんだか面白いよ?」となるのも道理っちゃ道理か


残りを読むかなあ…まあ機会があったらそのうち読むかもなぁ…
しかし春樹ってちゃんと読んだことなかったけどこんな感じなのか、ふうん


そういえばレオシュ・ヤナーチェクってどっかで聞いたことあると思ったらブラザーズ・クエイかなんかのアニメでそんな名前の作品があったなー