微妙に落ちこんでいる。誰とも話したくない。それは2chの書き込みを見たせいかもしれないし、同窓会のせいか、40cmも積もった雪と登れなかった山か、さもなきゃ雪の中で凍えながら飲んでいたバカルディーのせいか、くだらないラジオのカウントダウンのせいか。今観てるチェルシー・ホテルのせいかも知れない。そんなことはどうでもいい。とにかく今から寝る。

年が明ける時、隠れていた月が暗い山頂付近から顔を出す。一瞬、雪が止み、薄く広がった雲が時折月を遮りながら山の向こうに流れていく。やけに明るくて深い空の青、天頂近くそびえる黒いなだらかな山影、頂きから出た月の、冷たい光に照らされて青白く浮かび上がる雪、いまにも消えそうな赤い小さな炎、透明なグラスと濃い琥珀の酒を月明かりに透かしてみる。寒い。とにかく寒い。
いつのまにか雪が降っていた。