ザ・アウトロー(2018)

原題は "Den of Thieves"
直訳すれば「盗賊たちの巣窟」ということになる
トム・クルーズの『アウトロー』(2012)と紛らわしい

「盗賊の秘密の洞窟」といえば「アリババと40人の盗賊」に出てくるお宝の洞窟が思い浮かぶが"den"には洞穴、巣穴の他に「密かに集まって犯罪計画を練る場所」という意味もある*1

出演はジェラルド・バトラー、リーブ・シュレイバーの異母弟のパブロ・シュレイバー、ラッパーのアイスキューブの息子オシェア・ジャクソンJr、50セント、エヴァン・ジョーンズ(『ジャー・ヘッド』)、ブライアン・ヴァン・ホルト(『ブラックホーク・ダウン』のストルッカー)
監督は今作が長編初監督のクリスチャン・グーデガスト、ラップMVの監督などを経てヴィン・ディーゼル主演の『ブルドッグ』(2003)の脚本家なんかをしていたらしい

映画の内容はひとまず置いて他の出演者を掘っていくとけっこう面白い
格闘系では
UFC世界フェザー級王者のマックス・ホロウェイ
UFCで、数多くのMMA選手のトレーナーでもあり、佐藤ルミナとも戦ったことのあるジョン・ルイス
UFCでシャムロックとも戦い後にパンクラス、PRIDE.1にも出場したオレッグ・タクタロフ
最後にちょっとだけ出てくる元UFC世界ミドル級王者で2018年に引退したばかりのマイケル・ビスピン
他にも
元ATFの潜入捜査官で作家のジェイ・ドビンス(as ウォルフガング)
元サンディエゴ群保安官でカリフォルニア州矯正局の刑務官のマーカス・ラヴォイ(as マーカス)
意外なところでDeadpool2でShatterstar役だったルイス・タン

以下ネタバレ





実はドニーの店は連邦準備銀行の目の前にあって、というところが最後に明かされるのがこの映画のミソ
カウント係の黒人も、ゴミ収集のドライバーも実はこの店に出入りしていた
そういう客から集めた情報を丹念に組み立てて計画を練っていたのは実はドニーでした、というオチ

50セントが意外と良かった
パブロ・シュレイバーも現場のリーダーっぽさが良く出ていた
警備員とか端役の性格描写がしっかりしていて、そういうディティールの細かさがリアリティを増しているところは良い
オシェア・ジャクソンJrはオヤジに似すぎててウケる
プロットはそうでもないが全体にキャスティングが良かったな
『ボーダーライン』とかもそうだが序盤にまず1つフックとなる銃撃戦をいれて中盤で緊張感を高めていき最後にまた銃撃戦して締める、っていう組み立てが今後増えるのかもな
銃撃戦そのものの描写のリアリティがフックになるっていう

プロットを整理すると、メリーメンのチーム(メリーメン、マーカス、ボスコ、ルヴォー)とビッグニックのチーム(ニック、ボラッチョ、Z、ガス、マーフ)の対決と見せてその裏でドニーのチーム(ドニー、電話屋のマック、ゴミ収集車の2人、準備銀行の黒人のおばちゃん)が糸を引いていた、というスジなんだがいくつか疑問点が
まず、どこまでがドニーのプランだったか
ドニーが連邦準備銀行を出たあとニックのチームに拉致されるが、そこまで計画済みだったとは考えにくい
あと細かい点だが連邦準備銀行のビジターカードを返却していないのも気になる
投棄したはずのEMPデバイスがゴミ収集車から出てこなかったらメリーメンも気付くんじゃないのか?とか
メリーメンのチームは結果として全滅するわけだが生き残っていればドニーの裏切りもバレていたはず
最初にニックがドニーに目をつけるわけだがなぜ10ヶ月前に出所したばかりのメリーメンの子分だと知っていたのか
なぜメリーメンはドニーのプランであることを仲間にも秘密にしていたのか
ドニーは運よくニックたちの車から逃走できたがそのまま捕まっていた可能性だってある
どうみてもイレギュラーが発生しているがなんか奇跡的にうまく転がりましたっていう感じはどうしてもしちゃうよね