ゴーン・ガール

途中から見た
「ある日、突然姿を消す妻」というのは使い古しの導入だが、良く練り込まれた脚本、適度に振り分けられたセックスとバイオレンスの裏に深いテーマ性を秘めている
たんなるサスペンスとして、というよりガサツで怠惰で見栄張りで浮気性な男という生き物に対して込められた吐き捨てるような呪詛の重さ
私が私として「殺される」一方で、男は若くて巨乳の女に手を出す
物語そのものは映画として完結はするのだが、映画的帰結とは別の意味で込められたメッセージ、完璧に見えた計画の意外なほどの脆さ、通りすがりの悪意の怖さ
きっと男と女でまったく違う感想を抱くだろう
映画のテーマは愛ではなく支配・権力、そしてメディア
女性性に対する幻想・自己演出を揶揄するようでもある