2015 MotoGP 第4戦ヘレス 決勝


※最初のマルケスの転倒はFP4でのもの

Moto3クラス(23周)

気温23℃、路面温度は25℃、湿度53%
グリッドは1列目ファビオ・クアッタハッホ、ダニー・ケント、ミゲル・オリベイラ
2列目ブラッド・ビンダー、フィリップ・エッテル、カレル・ハニカ
3列目エネア・バスティアニーニロマーノフェナティ、ニッコロ・アントネッリ
4列目ホルヘ・ナバーロ、アレックス・マスブー、ヤコブ・コーンフェイル
5列目イサック・ビニャーレス、日本の尾野弘樹、ホルヘ・マルティン
バグナイアは16番、鈴木竜生は29番
調子を上げていたリビオ・ロイは22番、アメリカズでは予選3番手だったロカテリは23番と、アルゼンチンから調子が出ない


レースはオリベイラが良いスタートを決め1コーナーを1位で通過、続いてクアッタハッホ、エッテル、ケント、ブラッド・ビンダー、フェナティの順
良いスタートを見せたエッテルだったがブラッド・ビンダー、ケントに抜かれ5番手、さらにフェナティ、アントネッリにも抜かれて7番手まで後退
2周目、ビンダーを抜いて3位に浮上したケントはどうやら様子見モード
アントネッリがフェナティを抜いて5位
エッテルはさらに順位を落とし10位まで転落。その後7番手まで戻したが、コーンフェイルに抜かれ8位
フェナティが再びアントネッリの前に
ケントがクアッタハッホを抜いて2位に浮上
3周目オリベイラがペースアップ。エフレン・バスケスが1分47秒015のファステスト
17番手スタートだったエフレン・バスケスがアントネッリを抜いて6位に浮上。その後フェナティも抜いて5位につける。尾野は19番手を走行
カレル・ハニカもフェナティを抜いて6位。予選16番手のバグナイアが8位、イサック・ビニャーレスがコーンフェイルとアントネッリを抜いて9位
エッテルがじわじわ後退して13番手まで下げる
クアッタハッホが1分46秒.962でファステスト
4周目、マリア・ヘレーラが転倒リタイア。カレル・ハニカが5位に
どこから来たのかマスブーがコーンフェイルを抜いて10位に浮上。ナバーロがアントネッリを抜いて12位
5周目、追い上げていたカレル・ハニカがショートハイサイドで転倒
ケントがオリベイラを抜いてトップに
順位はケント、オリベイラ、クアッタハッホ、ブラッド・ビンダー、の先頭集団にやや遅れてバスケス、さらに間をあけてフェナティ、バグナイア、コーンフェイル、ビニャーレス、マスブー、ナバーロ、アントネッリ、バスティアニーニ。尾野は14番手を走行
6周目、クアッタハッホがオリベイラを抜いて2位に出る。バスケスはペースを上げて先頭集団に迫る
尾野がアントネッリを抜いて12位に。バスティアニーニは15番手に後退
ナバーロがマスブーを抜いて10位
7周目、オリベイラが再び2位に。コーンフェイルはビニャーレスとバグナイアを抜いて7位。フェナティの後ろの7位争いが激しい
8周目、4位ブラッド・ビンダーとバスケスとの差は0.858
バグナイアがビニャーレスを抜いて8位
アントネッリはジョン・マクフィーに抜かれて14番手まで後退
残り15周、ケントとオリベイラの差は0.225
2コーナーでクアッタハッホがオリベイラを抜いて2位
バスケスがペースアップ。1分47秒151のファステスト
残り14周、バスケスが先頭集団に合流。5台での表彰台争いとなる。やや開いてフェナティ、バグナイア、ナバーロ、ビニャーレス、コーンフェイル、尾野弘樹の6位集団
ビンダーがクアッタハッホを抜いて3位に浮上
6位集団では尾野が一瞬9位に立つ
5位バスケスと6位フェナティとの差は5.026秒
残り13周、尾野は11位に後退。ビンダーは2位に浮上、オリベイラは4位に後退
残り12周、後続を引き離せないと見たケントがペースダウン
順位が入れ替わり、クアッタハッホ、ビンダー、オリベイラバスケス、ケントとなる
その後オリベイラがトップ、2位クアッタハッホ、3位ビンダー。ケントもバスケスを抜いて4位に
残り11周、タイヤの限界か遅れはじめたビンダーをケントが抜いて3位
尾野がなんと7位に浮上。クアッタハッホが再びオリベイラを抜いてトップに
アントネッリがなんらかのトラブルでコースオフリタイア
残り10周、後ろに下がったはずのケントがちょっかいを出して首位に立つ。別にいつでもトップ取れるよという余裕なのか
バスケスはペースダウン
残り9周で再びクアッタハッホがトップ。日本の尾野は8位、鈴木は20番手を走行
後半セクションでケントがクアッタハッホを抜いて1位
残り8周、鈴木は21番手に交代
6位集団はフェナティ、バグナイア、コーンフェイル、ナバーロ、尾野、マクフィー、ビニャーレスの7台で混戦模様
尾野弘樹がバックストレートエンドのブレーキングでコーンフェイルと張り合って止まり切れず、コーンフェイルを巻き込んで転倒。これにはコーンフェイルもマジおこ。尾野はこういうとこで冷静に立ち回れないならGP向いてないとしか言いようがない。せっかく良い環境で走れてるんだから生かして欲しいものだ

残り7周でケントがペースを上げようとするがクアッタハッホも食らい付く。クアッタハッホが1分47秒091のファステストを出しトップへ
ケントはオリベイラにも抜かれ3位に後退。4位ブラッド・ビンダーと5位バスケスとの差は1秒339まで拡がる
残り6周、鈴木は一瞬19位に出るがすぐに21番手に戻る
残り5周でケントが2位、オリベイラ1位に、激しい首位争い。5位バスケスと6位フェナティの差は7.308秒
鈴木は22番手に後退
残り4周、再びクアッタハッホがトップに出る。オリベイラもハードブレーキングが得意だがクアッタハッホのブレーキングがかなり良い
残り3周、ケントがクアッタハッホを抜いて1位
ケント、クアッタハッホ、オリベイラ、にかろうじて追従するブラッド・ビンダー、完全に離されたバスケス、かなり間を空けてフェナティ、バグナイア、ナバーロ、少し開いてバスティアニーニ、ビニャーレス、ジョン・マクフィ
マスブーが消えている
残り2周、1分47秒379と1人47秒台前半で走るケントだったが9コーナーでミスをしてワイドになったところをクアッタハッホとオリベイラに抜かれ、残り2周でまさかの3位転落
最終周にオリベイラがなんとか先頭に出る。バックストレートでスリップから抜け出したケントがクアッタハッホを抜いて2位
オリベイラも渾身の走りでケントを押さえ込み、1位で最終コーナーに差しかかると、後ろから執念でインを突いてきたクアッタハッホが案の定止まり切れず、ケントに軽く接触してオーバーラン
クアッタハッホに前方を横切られるカタチとなった2台だったがケントの方が立ち上がりが早く、ケント1位、オリベイラ2位でコントロールラインを通過
クアッタハッホもなんとか転倒を免れたが、後続のビンダーに抜かれ4位
オリベイラにしてみれば、勝利を目前にクアッタハッホに邪魔された格好になってしまった
しかしあれだけ態勢を崩しながら転倒しなかったクアッタハッホもすごいが、いきなりインサイドから突っ込まれてもかわしきってゴールしたケントとオリベイラもたいしたもの


最終順位は1ケント、2オリベイラ、3ブラッド・ビンダー、4クアッタハッホ、5バスケス、6フェナティ、7バグナイア、8ナバーロ、9バスティアニーニ、10ジョン・マクフィー、11ビニャーレス、12ジュール・ダニロ、13リビオ・ロイ、14ホルヘ・マルティン、15アレックス・マスブー、16アンドレア・ロカテッリ
ケントはイギリス人としては46年振りとなる3連勝
オリベイラは自己ベストタイの2位
日本の鈴木は23位
KTMのエッテルは残り5周でリタイア
ケントはレース後のインタビューで「最後にクアッタハッホが突っ込んでくるのは分かっていた」とコメント

Moto2クラス決勝(26周)

気温25℃、路面温度27℃
グリッドは
1列目ティト・ラバト、アレックス・リンス、ジョナス・フォルガー
2列目トーマス・ルティ、中上貴晶、サム・ロウズ
3列目サンドロ・コルテセ、アクセル・ポンス、ヨハン・ザルコ
4列目シャビエル・シメオン、シモーヌ・コルシ、ロレンツォ・バルダッサーリ
5列目マルセル・シュロッター、フランコ・モルビデリ、ドミニク・エガーター
6列目アレックス・マルケス、ミカ・カリオ、ランディ・クルメナッハー
マレーシアのシャリーンは21、ウェストは24、タイのワロコーンは27
予選10番手だったフリアン・シモンは規定重量違反で最後尾の30番グリッドからスタート


1周目、ラバトが良いスタートを決めホールショット。続いてフォルガー、ルティ、中上と続く
リンスが5番手、その後ろにシメオン、コルテセ、コルシ、ロウズ
ザルコは11番手
2周目、リンスが中上を抜いて4番手
シメオンが8番手に後退。ザルコは徐々に順位をあげ9位
ロウズはセッティングミスなのか調子が出ず13位までずるずる後退
リンスが1分43秒218でファステスト
3周目、ロウズはモルビデリに抜かれ14位。ミカ・カリオはミスがあったのか17位に転落
コルテセが調子を落とし9位に後退。ザルコは7位まで浮上。シメオン8位
リンスが1分43秒012のファステスト
4周目、コルテセはさらに順位を落とし10位。アクセル・ポンスが9位
3位ルティとリンスの差が0.401に縮まる
モルビデリがエガーターを抜いて12位に浮上。ロウズは18位まで転落
ザルコがコルシを抜いて5位。続いてシメオン。中上は8位に後退
コルテセはシュロッターに抜かれて11位
5周目、アレックス・マルケスが16位に。ロウズはとうとう20位まで下がった。アクセル・ポンスが中上を抜いて8位
14番手スタートのモルビデリも10位まで上がってきた
6周目、モルビデリが中上を抜いて9位。中上はさらに順位を落として11番手
6コーナーでアクセル・ポンスが転倒リタイア
ラバト、フォルガーの先頭集団に、やや遅れてルティ、リンス、さらに間をあけてザルコ、コルシ、シメオン、モルビデリ、シュロッター、コルテセ、中上の7台の5位集団
7周目、中上は順位を落とし13番手、5位集団から脱落
リンスがようやくルティを抜いて3位に浮上。シメオンがコルシを抜いて6番手。マルケスがミカ・カリオを抜いて14位
9周目、中上は18番手まで転落。マルケスがエガーターを抜いて12番手に浮上、その後ろに最後尾スタートのフリアン・シモン、アンソニー・ウェストが続く
10周目、フォルガーがラバトのミスをついてトップに出る。最終コーナーで少しワイドになったのを見逃さなかった
レースは残り16周、フォルガー、ラバト、リンス、ルティ、ザルコ、シメオン、コルシ、モルビデリ、コルテセ、ルイス・サロム、シュロッター、マルケス、フリアン・シモン、エガーター、ウェスト、シャリーン、ミカ・カリオ、中上
ミカ・カリオはちょいちょいミスで順位を落としている
中上はバルダッサーリに抜かれ19位
残り14周ルティとザルコの差は1.109秒から0.994秒に縮まる
モルビデリがコルシを抜いて7位に浮上
残り13周でルティとザルコの差は0.889秒
2コーナーでコルテセが転倒。その後レースに復帰したもののリタイア
マルケスが10位に浮上。コルシがコースオフ?
残り10周でラバトのペースがやや落ちたか。どうやらフォルガーのペースについていけず2位キープに回った模様
ザルコが3位集団のリンスとルティに追いついて3台での3位争い
ザルコが1分43秒996のファステスト
残り9周、フォルガーがスパートをかけはじめる。フォルガーのタイヤもわりと限界に見える
ザルコが最終コーナーでルティを抜いて4位浮上
残り5周、依然フォルガーが独走で首位
残り4周でミカ・カリオが転倒リタイア。リンスが1分43秒670でファステスト
ラバトとリンスの差が1.525秒から1.216秒まで縮まる
残り2周、ラバトとリンスの差は0.908から0.429秒に。リンスのすぐ後ろにはザルコも追走
最終周、フォルガーのタイヤもかなり限界にきてるがラップタイムは落ちていない。一方2位を決め込んだラバトのケツにリンスとザルコが完全に食いついた。ラバトも安定した走りで逃げ切りを図るがラバトのタイヤももう限界。
最終コーナー、インから突っ込んだリンスが両輪スライドさせながらラバトのリアにヒットしてアウト側にひっくり返り転倒。
最後の最後、コントロールラインの直前でザルコがラバトを抜いて滑りこみの2位


終結果は1フォルガー、2ザルコ、3ラバト、4ルティ、5シメオン、6モルビデリ、7ルイス・サロム、8コルシ、9マルケス、10シュロッター、11フリアン・シモン、12シャリーン、13バルダッサーリ、14クルメナッハー、15ウェスト、16エガーター、17中上
転倒から復帰したリンスは18位で終わった
第1戦カタールでの棚ボタ勝利で、その実力がフロック視されていた感のあるフォルガーだが、今回の勝利でその実力が紛れもないものであることを証明してみせた
リンスは最後まで諦めない姿勢は良かったが、終わって見れば18位とランキング争いから考えるともったいない結果。Moto2参戦初年ながらすでに表彰台経験があるだけに、3位ではなく2位が欲しかったのだろうが…
逆にラバトは早々に2位を決め込んだ挙句、ザルコに掻っ攫われるという、些か情けないというかアグレッシブさに欠ける面が見られた。それでも今季初表彰台は悪くない結果と言えるだろう
ミカ・カリオは今回はパッとせず
モルビデリが14番手スタートながら6位と大健闘
マルケスはいつもの15位という定位置から、Moto2参戦初となるシングルフィニッシュの9位


レース中、フォルガーのトップスピードは243.4km/hだった

MotoGPクラス(27周)

気温26℃、路面温度は30℃
グリッドは
1列目ホルヘ・ロレンソマルク・マルケスアンドレア・イアンノーネ
2列目ポル・エスパルガロバレンティーノ・ロッシ、アレイシ・エスパルガロ
3列目カル・クラッチロー、アンドレア・ドヴィツィオーゾ、ヨニー・エルナンデス
4列目ブラッドリー・スミス、ダニロ・ペトルッチ、スコット・レディング
5列目エクトル・バルベラ、マーベリック・ビニャーレス、アルバロ・バウティスタ
日本の青山博一は16番グリッド


スタートでイアンノーネが出遅れ、ホールショットはロレンソ、マルク・マルケスポル・エスパルガロ、ロッシ、アレイシ・エスパルガロ、カル・クラッチロー、ドヴィツィオーゾ、ブラッドリー・スミスペトルッチ、エルナンデス、イアンノーネ、スコット・レディングの順
青山は19番手
2周目、青山は18番手に上げる
2周目の最終コーナーでドヴィがオーバーラン、22位まで下げる。ロレンソが1分38秒735のファステスト
3周目、クラッチローがアレイシを抜いて5位。最終コーナーでロッシがポルを抜いて3位に浮上。マルケスとロレンソがまったく同じ1分38秒888でファステスト
4周目、マルケスとロッシの差は1.723秒から1.808秒へ
5周目、青山は16番手まで上げる
6周目、マルケスとロッシの差は2.682秒。ロレンソが1分39秒124でファステスト
7周目、ポルとカル・クラッチローの4番手争いをクラッチローが制してクラッチロー4位
8周目、ロレンソとマルケスとの差は2秒近い1.918秒
日差しがだんだん強くなってきた
10周目、1位ロレンソと2位マルケスが2.048秒、2位マルケスと3位ロッシとの差が2.790秒、3位ロッシと4位クラッチローとの差が2.928秒と隊列が縦に伸びている
イアンノーネがオーバーラン。22位まで順位を落としたドヴィが追い上げて14番手から13番手に浮上。青山は16番手から15番手に
残り13周、5コーナー、バックストレートへの進入で青山が単独転倒してリタイア
残り11周、イアンノーネとアレイシ・エスパルガロの6位争いをイアンノーネが制して6位に浮上。ロッシが1分39秒816のファステスト
残り10周、ドヴィツィオーゾはとうとう9位まで戻ってきた
残り9周、マルケスとロッシの差は1.670秒から1.346秒まで縮まる。ロレンソとマルケスの差は4.7秒とロレンソが独走態勢
残り7周、マルケスとロッシの差はさらに縮まり1.147秒。アルゼンチンの再現なるか
残り5周、手術した左手をいたわってかのんびり巡航モードだったマルケスもロッシに追い付かれてペースアップ。差を1.799秒まで広げる
後方ではエルナンデスとの10位争いをペトルッチが制して10位
残り4周、マルケスとロッシの差は2.014秒
残り3周、マルケスとロッシの差は2.442秒から2.562秒へ
残り2周、マルケスとロッシの差は2.762秒、さすがのロッシも追いつけないか
最終周、ビニャーレスが11位に浮上。ロレンソは最初から最後まで首位を守りきって独走ゴール。最高速は287.8km/h


1ロレンソ、2マルケス、3ロッシ、4クラッチロー、5ポル・エスパルガロ、6イアンノーネ、7アレイシ・エスパルガロ、8ブラッドリー・スミス、9ドヴィツィオーゾ、10ヨニー・エルナンデス、11マーベリック・ビニャーレス、12ペトルッチ、13スコット・レディング、14バルベラ、15アルバロ・バウティスタ、16ステファン・ブラドル
ロッシはこれが200回目の表彰台。すごすぎてちょっとピンと来ない数字だ
GP参戦以来はじめてシーズン開始から1度も表彰台に登っていなかったロレンソは地元スペインでの優勝にもう大はしゃぎ。ロレンソ国旗の棒をへし折るわ、池に飛びこもうとして飛びこまないわ
表彰式では前スペイン国王フアン・カルロス1世が御自らロレンソにトロフィーを手渡していた。ロレンソはまだ笑顔が止まらない
ロレンソ優勝で今シーズンのMotoGPクラスが俄然おもしろくなってきたと言えるだろう
スズキ勢は今回も7位、11位と、参戦初年にしてはかなり安定した成績を残してきている。アレイシ、ビニャーレスという乗り手のチョイスも良かった
次回フランスでペドロサ復帰が確定的という見通しなので、青山はこれが最後の代役参戦ということになる。ワークスマシンを駆りながらも「青山博一ここにあり!」と言う成績は残せなかったが、これがMotoGPの厳しさなのだろうか