過去レース視聴 2012 MotoGP 第1戦カタール


2012 Qatar motorcycle Grand Prix - Wikipedia

Moto3クラス(18周)

2011年までの125ccクラスが廃止され、4ストローク250cc単気筒のマシンで争うMoto3クラスが新たに開設された2012年
ポールはサンドロ・コルテセ、以下マーベリック・ビニャーレス、ルイ・ロッシ、
ルイス・サロム、ニコラス・アジョ、ロマーノ・フェナティ、
ズルファミ・カイルディン、ミゲル・オリベイラ、アーサー・シッシス、
アレクシ・マスブー、アレッサンドロ・トヌッチ、ダニー・ケント、
ルーキーのアレックス・リンス、モンカヨ、ブラッド・ビンダー
アントネッリは20、エフレン・バスケスが21、シュロッターが23、ジャック・ミラーが26、イサック・ビニャーレスが27
日本の藤井は28、ジョナス・フォルガーは32


レースは1周目で11番グリッドスタートのトヌッチがいきなり転倒してリタイア
シッシスが3列目から良いスタートを決め、順位はフェナティ、シッシス、コルテセ、ビニャーレス
しかしシッシスはすぐに順位を下げ、ビニャーレスが2番手に浮上。シッシスは3周目にはサロム、4周目にオリベイラにも抜かれて6番手までダウン
序盤から中盤にかけて、コルテセ、サロム、オリベイラの3台の3位集団で激しい闘いが繰り広げられる
シッシスは8周目にカイルディンにも抜かれて7番手まで後退
12周目、フェナティのペースが上がらず、ビニャーレスがついにトップに立つと、15周目には2.125秒、17周目には3.860の差をつけて独走
終盤、6位集団のカイルディンとシッシスが3位集団に接近、カイルディンは残り3周で一時4位まで浮上するがラストラップで抜かれて6位。
コルテセは一時5位まで後退したが3位を守りきった
順位はビニャーレス、フェナティ、コルテセ、サロム、オリベイラ、カイルディン、シッシス、ダニー・ケント
リンスは10位、バスケスは16位、アントネッリは17位

Moto2クラス(20周)

日本からは日本GPからのMoto2クラスデビューでMotoGP復帰となる中上貴晶、MotoGPクラスの経験のある高橋悠紀が参戦
カレックス勢の調子がよく参戦台数は前年の4台から9台へと増えた
グリッドは
トーマス・ルティ、マルク・マルケスアンドレア・イアンノーネ
ポル・エスパルガロ、マイク・ディメッリオ、マックス・ノイキルヒナー
エステベ・ラバト、クラウディオ・コルティ、そして日本の中上貴晶
シモーヌ・コルシ、フリアン・シモン、ブラッドリー・スミス
スコット・レディング、ミカ・カリオ、アレックス・デ・アンジェリス
ドミニク・エガーター、トニー・エリアス、シャビエル・シメオン
ヨハン・ザルコは19、日本の高橋悠紀は25、ニコラス・テロルは26、タイのラタパーク・ウィライローが28、アンソニー・ウェストが29


レースはルティがホールショットを決めたもののポル・エスパルガロマルク・マルケスに抜かれ、さらにイアンノーネにも抜かれて2周目には4位まで後退。さらにミスがあり7番手に
イアンノーネはマルケスを抜いて2位、ラバトが4位に浮上
4周目時点で順位はポル、イアンノーネ、マルケス、ラバト、コルシ、ディメッリオ、ルティ、ブラッドリー・スミス、スコット・レディング、デ・アンジェリス、トニー・エリアスの順
4周目にイアンノーネがポルを抜いてトップに
マルケスもポルを抜いて2位に浮上
8周目の1コーナーでコルシが1コーナーのブレーキングをミスしてオーバーラン
8周目までの順位はイアンノーネ、マルケス、ポル、ラバト、ルティ、コルシ、ディメッリオ、レディング、スミス、デ・アンジェリス、ミカ・カリオ、ノイキルヒナー、フリアン・シモン、トニー・エリアス、ヨハン・ザルコ、中上、クルメナッハー、コルティ、シメオン、エガーター
10周目でマルケスがトップに
続く11周目でイアンノーネが1コーナーで突っ込みすぎ4位に後退。その後ルティがイアンノーネを抜き4位へ
続く12周目、今度はマルケスオーバーラン。5位に後退。順位はポル・エスパルガロ、ラバト、ルティ、イアンノーネ、マルケス、コルシ
残り7周でルティがペースを上げ、2位のラバトを抜いて、さらにポル・エスパルガロもかわしてトップに
ラバトはミスがあったのか5位に後退
残り5周、マルケスとイアンノーネに抜かれポル・エスパルガロは4位に
マルケスはレース中のMoto2クラスのサーキットベストレコードとなる2分00秒645をマーク
ルティのブレーキングは鋭く、マルケスもなかなか抜くことができない、というより、何度か抜くそぶりを見せながらも間合いを測っているかのようだ
ラストラップ、マルケスはスリップでイン側からルティの前に出ると、ルティの進路を塞ぐカタチでアウトにはらみ、アウト側いっぱいに押し出される格好になったルティは1コーナーで大きくオーバーラン。5位まで順位を落とす
ぎりぎりダーティとまでは言えないが強引な手段でルティを弾きだすあたり、マルケスはきわめて老獪。表彰台からも蹴落とされたルティはレースが終わったあとも不満たらたらだったが、マルクスが前に出ていた以上、ルティのミスというカタチになってしまう
しかしそのマルケスもインフィールドでイアンノーネに抜かれ、イアンノーネが先頭で最終コーナー!
インを締めざるを得ないイアンノーネに対し、立ち上がり重視のラインで最終コーナーを抜けたマルケスはスリップから抜け出すとコントロールラインのはるか手前でイアンノーネを抜き去り1位でフィニッシュ
イアンノーネも再びスリップに入ろうとするがどうすることもできない


結果はマルケス、イアンノーネ、ポル・エスパルガロ、ラバト、ルティ、レディング、ディメッリオ、コルシ、ブラッドリー・スミス、ミカ・カリオの順
日本の中上は14位、高橋は19位
デ・アンジェリスは残り2周で転倒リタイア
マルク・マルケスはこれでGP通算100勝目となる勝利を飾った

MotoGPクラス

ロッシがドカティ、ストーナーがレプソルホンダに移籍して2年目となるこの年
レギュレーションが変更され、エンジンの排気量がこれまでの800ccから1,000ccへと引き上げられた。同時にマシンの最低重量が150kgから157kgと7キログラムもの大幅重量増となる
ワークスとサテライトの下に、オープンカテゴリーとCRTという新たなカテゴリが増設され、CRTはオリジナルフレームに市販エンジンの組み合わせとなっていて、ドルナとしても前年の2011年には16台まで減ってしまったMotoGPクラスの参戦のハードルの引き下げを試みたと思われる
チームはレプソル3台体制だった前年からドヴィツィオーゾがヤマハTech3に移籍(というか放出?)してレプソルはペドロサ-ストーナーの2台体制、ヤマハはロレンソ-ベン・スピーズ、ドカティがロッシ-ニッキー・ヘイデンという体制での2012年となった


グリッドはロレンソ(Yamaha)がストーナーを押さえてポール、2ndに前年、移籍1年目にも関わらずMotoGPを制したストーナー(Repsol)、3rdに初のフロントロウ獲得のカル・クラッチロー(Tech3)
以下ベン・スピーズ(Yamaha)、ニッキー・ヘイデンDucati)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Tech3)、ダニ・ペドロサ(Repsol)、エクトル・バルベラ(Pramac)、9番グリッドに前年のMoto2王者で今戦がMotoGPデビューとなるステファン・ブラドル(LCR Honda)
ロッシはオープンカテゴリとCRTを除いた、ワークス・サテライトの中で最下位となる12番手からのスタート


スタートはダニ・ペドロサが3列目からのロケットスタートを決めて、あわやホールショットかと思われたがポールのロレンソがきっちり押さえて1コーナーを制する
順位はロレンソ、ダニ、ストーナー、ドヴィツィオーゾ、ベン・スピーズ、カル・クラッチロー、ルーキーのステファン・ブラドルも良いスタートを決め7番手
レースは3周目でストーナーが仕掛け、ペドロサとロレンソを抜いて先頭に立つ。すぐにロレンソとの差を2秒まで広げた
ベン・スピーズがじりじりとペースを落とし、ドヴィとクラッチローの激しい4位争いが序盤から終盤になるまでずっと続く。カル・クラッチローの方が若干ペースが速いのか、ドヴィツィオーゾの後ろにピッタリつけてはいるものの、なかなか抜くまでにはいたらない
当初5番手につけたベン・スピーズだったがずるずると順位を下げ、レースが終わる頃にはヤマハワークスながら11番手まで後退して終了
ロッシは1コーナーで2台を抜き、10番手まで浮上したもののそれから見るべきところもなく10番手のままレース終了
残り6周でクラッチローはようやくドヴィツィオーゾをかわし4番手に浮上、しかしそのまま差を広げることはできず、こんどはカルを先頭にして4位争いが継続
終盤までずっと6位を単独走行していたルーキーのステファン・ブラドルだったが、残り6周になってニッキー・ヘイデン、アルバロ・バウティスタ、エクトル・バルベラの7位集団に追いつかれ、4台の熾烈な6位争いに。
残り5周あたりからストーナーに異変がおき、ほんのわずかにペースダウン
残り4周のホームストレートでペドロサがロレンソの前に出るがロレンソもインフィールドですぐに抜き返し、そのままの勢いでストーナーに急接近。4周目の最終コーナーでストーナーを鮮やかにかわしトップに出る。ダニも残り2周の1コーナーでリアがブレるほどのハードブレーキングでストーナーを抜いて追撃するもロレンソに0.852秒の差をつけられたままフィニッシュ
終始ドヴィツィオーゾとバトルしていたカル・クラッチローも表彰台を逃したものの、自己最高位となる4位を守りきりゴール
しばらく6位集団の先頭を走っていたバルベラだが、ラストラップの1コーナーで突っ込みすぎてオーバーランして9位でフィニッシュ
ステファン・ブラドルはヘイデンに追いつかれてからじりじりポジションを下げて4台の6位集団中最下位の9番手まで順位を落としたが、バルベラにミスがあり、ニッキー・ヘイデン、バウティスタに告ぐ8位でデビューレースを終えた


順位は1ロレンソ、2ダニ・ペドロサ、3ケーシー・ストーナー、4カル・クラッチロー、5ドヴィツィオーゾ、6ニッキー・ヘイデン、7バウティスタ、8ステファン・ブラドル、9エクトル・バルベラ、10ロッシ、11ベン・スピーズ
12位にCRTクラス最高位となるコーリン・エドワーズ
一時11番手まで上がっていたヨニ・エルナンデスはミスがあったのか14位
MotoGPクラス初参戦のアレイシ・エスパルガロは15位とデビューレースでポイントを獲得した


ストーナーがいつものように圧倒的な速さで独走して終わるかと思ったが、最後まで集中を維持して走ったロレンソが優勝を奪い、これがカタールでの初優勝となるロレンソは喜びを隠せない様子
レース終了後の会見では、ストーナーはレース前から右腕に痛みがあり、ブレーキを強く握ることができないような状態であったと、ペースに関しても「自分はもっと速く走ることができたのに本来のペースを出せず、語るべきことはない」と発言。つまり、いつもの速さをまったく出せない状態でありながらトップに立ってロレンソに2秒の差をつけて走っていた、と。化物か