ラッキーナンバー7(2006)

ラッキーナンバー7 スペシャル・プライス [DVD]

ラッキーナンバー7 スペシャル・プライス [DVD]

原題は"Lucky#Slevin"で、Slevinのタイトルと主人公の名前のひっかけがキモな筈なんだが、例によって配給のクソ邦題
2700万ドルと低予算なワリに一流どこの俳優(と予算)をかき集められたのも、主要キャストがほぼ全員おいしい役どころ、というある意味練りに練られた脚本のおかげだろう。裏を返せば御都合主義の極みでもあるが、このバランス感覚というか、110分という比較的限られた時間の中で、俳優ごとのペイレベルに応じた見せ場をそれぞれ用意して見せるという緻密さ、構成の巧みさには目を見張るものがある
興収はドメスティックで2250万ドルと俳優陣のワリに低調なものの、米外興収と合わせて5630万ドルとまずまず


(主に眉毛で)若い頃のトミー・リー・ジョーンズに似てる、なんて言われた眉毛兄ちゃんのジョシュ・ハートネットも、いまやブラッド・ピットベニチオ・デル・トロを足して2で割ったようなセクシーさをまとった俳優に成長していたのだなぁなどと感慨深いものがある
中でももちろん一番おいしい役どころなのはブルース・ウィリスで、某パルプ・フィクションでの時計のくだりを彷彿とさせるエピソードを織り込むあたりの芸の細かさよ
2番目においしいのはルーシー・リューで、いい加減トウの立った小柄なアジアン女優には望外の良役というかジョシュ・ハートネットとの身長差すげー
端々に出てくる映画に関する言及も、ニヤリとさせてくれる


監督はスコティッシュのポール・マクギガン(『アシッド・ハウス』1998、『ギャングスター・ナンバー1』2000)
脚本にTVシリーズでの脚本・製作総指揮経験のあるジェイソン・スミロービック


個人的に『ガンジー』1982、『砂と霧の家』2003の"サー"・ベン・キングスレー、『モネ・ゲーム』2012のスタンリー・トゥッチ、完全にパイ見せ要員だったジェニファー・ミラーと、友情出演のダニー・アイエロ翁が印象深い


ちなみに、シュムー[Shmoo]についてはこちらを参照のこと
http://en.wikipedia.org/wiki/Shmoo