Ergo Proxy

筋は古典SFの部類。人類再生計画のくだりはナウシカを思わせる。ただ冴えない主人公の正体が不死身の化物であり、かつ人類再生の代理人であり、かつ主人公の奉仕する社会の創造主であった(という記憶を失っていた)という設定はやや中二的というか、「だったのだ」って言われても「あっそうすか」としか言い様がないというか。あと哲学ドヤが多いところもそれっぽい
伏線をひっぱりまくったものの、タネ明かしが済めば「なーんだ」という話でしかないがまだるっこしい。こんなまわりくどい話を最後まで見たのはヒロインのリル・メイヤーの魅力によるところが大きい。逆に言えばある程度きっちり伏線は回収されているが故、すべてが明かされたときのがっかり感も大きい。ヱヴァみたいに投げっぱなしというか肝心なところは最後までぼかしたままにしとけば「あーでもないこーでもない」というヲタ特有の楽しみも生まれようものを。
作画と描写の魅力、というアニメのアニメたる所以によって自閉気味なプロットも成立しているような気がしてしまう。
壮大な設定を「彼と彼女」の物語に帰着させてしまうあたり、実にオタク的でアロノフスキーを彷彿とさせる。このオタク野郎が