神経ペプチドY(しんけいペプチドY、ニューロペプチドY、neuropeputide Y, NPY)
神経ペプチドY(しんけいペプチドY、ニューロペプチドY、neuropeputide Y, NPY)は脳と自律神経系で見つかった36のアミノ酸から成るペプチド神経伝達物質で、ノルアドレナリン作動性ニューロンの血管収縮効果を増大させる。
脳中のニューロンと体の他の分泌細胞により作られた神経ペプチドYは、エネルギー収支の調整、記憶と学習、そして、てんかんなどの脳の多くの生理学的な過程に関連する。
神経ペプチドY - Wikipedia
ニューロペプチドY(NPY)は,強力な摂食促進ペプチドであり,視床下部に存在する7回膜貫通型受容体を介して,その作用を惹起する.現在,5つの受容体サブタイプがクローニングされているが,中でも,Y1およびY5受容体がNPYの摂食促進作用に関与していることが示唆されている.我々は,サブタイプ選択的な低分子化合物と受容体欠損マウスを用いた実験を通して,それぞれの受容体の更なる機能解析を行った.その結果,Y1およびY5両受容体ともに,摂食行動において重要な役割を果たしている受容体である事を確認した.しかしながら,Y1およびY5受容体は,NPY関連の摂食行動において,異なる役割を有することが示唆された.
http://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/127/2/127_88/_article/-char/ja
- ブタの脳から単離された36アミノ酸からなる神経ペプチドで、膵ポリペプチドファミリーに属し、高い種相同性が維持されている。
- 自律神経系と脳内に広く分布する。特に視床下部に多く、弓状核から室傍核、背内側核に神経線維を投射している。
- NPYは下垂体ホルモン放出作用、自律神経系への作用、摂食、性行動、エネルギー収支の調整、記憶と学習、てんかんなどの対する作用などさまざまな神経内分泌作用をもつと考えられている。
Ghrelinなどがあり
痛みと鎮痛の基礎知識 - Pain Relief ー神経伝達物質
- 摂食を促進するペプチドにはNPY、メラニン凝集ホルモン(MCH)、オレキシン、アグーチ関連蛋白(AgRP)、グレリンなどがあるが、NPYの摂食促進作用はペプチドの中でもっとも強力
- NPYとAgRPは弓状核で同じニューロンに含まれる。弓状核のNPYニューロンは視床下部内に投射していて、室傍核、背内側核、外側野などでは密な線維網を形成している。とくに外側野ではNPYの線維がMCHニューロンに接して存在し、NPYニューロンはMCHニューロンを調節していると考えられている。
- 一部の交感神経節後線維がNPYを含む。
- ネコの顎下腺に節後線維を送る上顎交感神経節ニューロンの場合、その約半数がノルアドレナリンとNPYを含み、残りの半数がノルアドレナリンのみを含んでいる。NPYを含んだ節後線維は主として顎下腺の動脈洞の動脈の血管に分布し、ノルアドレナリンのみを含んだ節後線維は顎下腺細胞と静脈側の血管に分布している。
- NPYは強力な脳動脈収縮物質で、脳動脈に分布する交感神経節後線維もNPYを含んでいて、アドレナリン作動性の血管収縮効果を増大させる。NPYによる血管拡張は、α/β遮断薬では抑制されないが、星状神経節ブロックでは抑制される。
- NPYは後角細胞の興奮性を低下させる。
- 神経損傷後、DRGにある細胞体の核内のNPY遺伝子発現が増加する。
- 一次求心性線維終末に対しては、侵害受容機能を増強する。
- RSD患者の患肢から採血した血液中のNPY濃度は、コントロールに比べて低く、患部では交感神経活動が低下している。
- NPY脳室内投与により摂食行動が促進し、その作用部位は視床下部である。
- NPY脳室内投与により抗不安作用が促進し、その作用部位は扁桃体とされていて、扁桃体中心核へのNPY局所注入でも抗不安作用がみられるが、摂食行動の促進作用はみられない。選択的Y1レセプターアゴニストの脳室内投与による抗不安効果、Y1レセプターのアンチセンスヌクレオチドを用いたY1レセプター発現抑制に伴う不安増大から、NPYの抗不安作用は扁桃体中心核の Y1レセプターを介して発揮されると考えられている。
NPY受容体
- 細胞膜7回貫通型
受容体 Gタンパク agonist antagonist Y1 Gi/o [Pro34]NPY
NPY13-16GR231118
SR120107AY2 Y4-Y6 Y2 Gi/o NPY13-36, NPY18-36 痛みと鎮痛の基礎知識 - Pain Relief ー受容体1
- 選択的Y1受容体アゴニストの脳室内投与による抗不安効果、Y1受容体のアンチセンスヌクレオチドを用いたY1受容体発現抑制に伴う不安増大から、NPYの抗不安作用は扁桃体中心核のY1受容体を介して発揮されると考えられている。
- Y1受容体は免疫細胞(Bリンパ球、Tリンパ球、樹状細胞、マクロファージ、肥満細胞、ナチュラルキラー細胞など)にも発現している。
特殊部隊の兵士が「ニューロペプチドY」と呼ばれるものをかなり多く作り出していることがわかった。ニューロペプチドYは、とりわけ、ストレス下において任務に集中できるよう助ける働きがある化合物だ。
『生き残る判断 生き残れない行動』:紙魚:So-netブログ