嘔吐

もう3月じゃねえか!

2/25(金)

名古屋〜美濃戸山荘 24:00-05:30

2/26(土)

美濃戸山荘〜北沢〜鉱泉 05:30-08:00
イベント 10:00-17:00
夕食・スライドショー(途中まで) 18:00-20:00
仮眠 20:00-22:00
ジョウゴ沢〜乙女の滝〜クソ尾根 23:00-04:30
ビバーク 04:30-06:30

2/27(日)

クソ尾根〜稜線〜硫黄岳〜ジョウゴ沢〜鉱泉 06:30-09:00
睡眠 10:00-14:00
鉱泉〜行者小屋〜南沢〜摩利支天出会 16:30-17:30
摩利支天出合〜摩利支天〜摩利支天出合 17:30-19:30?
大休止 19:30?-20:40
摩利支天出合〜美濃戸山荘 20:40-24:00?
美濃戸山荘〜名古屋 24:00?-04:00

完全に日にちを間違えて、早めに集合するはずが結局ギリギリの時間に。19時半が23時半といつもの4時間遅れ。24時過ぎに出発。

1日目

移動(往路)
名古屋〜美濃戸山荘 24:00-05:30

途中飯田と飯田山本間で事故のため通行止め。手前の渋滞とあわせて1時間ちょっとのロス。事故区間が短かったのと夜間で車もそう多くなかったのでどはまりというほどではなかったが…出たのがギリギリだったので貴重な行動時間のロス。
諏訪南で降りたのが4時過ぎ。下の駐車場でチェーン付けてマーチで無理くり上の駐車場まで。途中で一回だけスタック。シャリシャリ、ゴリゴリと下をする音がずっとしてる。

行動開始
美濃戸山荘〜北沢〜鉱泉 05:30-08:00

上の駐車場に5時半。行きがけに摩利支天登るつもりだったが集合時間に間に合わせる自信がなかったので一旦パス。2日目の帰りに登ることにする。
鉱泉に8時。林道歩き始めたころから吐き気が止まらず。息も上がりまくり。ペースを落とすとだんだん調子が上がってきたようで最後はラクに歩けた。
野人はそのまま稜線へ。Bさんと2人でテント張って軽く寝る。

イベント
イベント 10:00-17:00

10時頃に野人が帰って来て3人でお手伝い。17時頃にイベント終了。
県警の講習が面白そうだったが一人やぐらの上にいたので何も見れず。

夕食・仮眠
夕食・スライドショー(途中まで) 18:00-20:00
仮眠 20:00-22:00

小屋で夕食を頂けることになり18時すぎからメシ。スライドショー見てるうちに眠くなって関係者用の部屋で20時から2時間仮眠。

行動開始
ジョウゴ沢〜乙女の滝〜クソ尾根 23:00-04:30

22時からパッキング開始。23時に出発。Bさんはお留守番。ジョウゴ沢F1を普通に歩いて通過。F2を越えると広い雪田というか開けた沢。夜空に雲ひとつなく星がきれいに見える。北斗七星と山稜でなんとなく位置確認。右俣大滝へ行くトレースがあり、たどってみたがトレースが途切れていたためハズレかと思い引き返す。あとで朝登った人に確認したらその道で良かったとのこと。出かける前にテルモスに詰めておいたチャイがうまい。
右俣大滝への分岐を左へ一段上がっていくと右に乙女の滝が見える。左はどこに出るのか良く分からない。登り始めは1時前くらいか。
夜のせいか氷が硬く脆い、アックスがなかなか決まらない。スタンスも取れない。12mぐらいのバーチカルなのにまったく登れる気がしないというか登れなかった。結局スクリュー抜くだけで左手パンプしてしまったので、アックステンションしまくって抜けた。正直もうダメかと思った。実力不足。
乙女の滝の上、右側の岩陰にしっかりとした支点と残置スリング。ここまでで2時半。そのまま3時までしばし休憩。
ここからはノートレース。そのまま沢筋を詰めて右の稜線に上がる。これが失敗だった。高度2500近辺のはずが樹林帯に突入。ハイ松に雪が積もっていてズボズボの猛ラッセル。そのまま90分ほどラッセルしまくるが一向に稜線が近づかない。
名前は知らないが「クソ尾根」と命名する。

2日目?

ビバーク
ビバーク(クソ尾根中ほど) 04:30-06:30

いろいろ限界になり2時間ほどビバーク。今回は野人の高度順応も兼ねていたのでこれはこれでよしとする。ツェルトをかぶってみるが眠れない。少しウトウトしてあとはひたすら寒さに耐える。冷めてしまったチャイにお湯を足して飲む。うまいわけはないのだがこれが実にうまい。

行動開始
クソ尾根〜稜線〜硫黄岳〜ジョウゴ沢〜鉱泉 06:30-09:00

6時過ぎて明るくなり、充分に休息も取れないまま行動開始。引き続きラッセル。なぜテントにワカンを置いてきてしまったのか。稜線も近くなってようやく樹林帯を抜けるとこんどは下からの猛烈な風。
稜線に7時すぎ。風で体が押されるが天気も眺めも最高に良い。アイウェアもテントに置いてきてしまったので諏訪側を向くと目が痛い。大同心と硫黄岳の中間の鞍部に出たので硫黄山頂を目指す。標高差100mぐらい?だと思うが風が強く難儀した。といってもさっきまでのラッセルに比べれば快適そのもの。硫黄を下って鉱泉への分岐を赤岩方面へ下る。時間は7時45分。意外に急な斜面なんだな。
鉱泉を出たPTが続々と登ってくる。中には軽アイゼンにストックで来てた女の子もいたけど大丈夫なんだろうかね?。下りは順調。途中変なシリセード跡を下ってしまい。ジョウゴ沢F2のすぐ下に出た。どう考えてもこの道じゃない…。時間的にはかえって早かったかも。テントに戻ったのが9時ごろ。

睡眠
睡眠 10:00-14:00

関係者に声をかけ、テントで飯食って10時から寝る。メシを食うまでまったく眠気を感じてなかったのだが、腹にモノが入ると途端に砂に水が吸い込まれるように眠りに入る。たかだか10時間の行動だが、やはり疲労と睡眠不足には勝てない。Bさんに12時に起こしてね、と頼んだのだが、二人とも寝ていて起きなかったようだ。起きたら14時過ぎでコンペも終わってしまっていた。最後の片付けだけチョロっとお手伝いのようなことをする。

行動開始
鉱泉〜行者小屋〜南沢〜摩利支天出会 16:30-17:30

16時に撤収。16時半出発。行者小屋までの乗越の登りがきつい。昨日の吐き気がよみがえる。あと頭痛も。乗越から小屋まで下っていく途中でヘリの機影が樹の向こうに見える。どうやら小屋のすぐそばで搬送のためホバリングしているようだ。小屋から南沢を下って行くと広場で県警の救助隊が10人ぐらい?いたのかな。2回目のヘリを待っているところだった。ヘリが去るまでしばらく待機。それにしてもプロペラが巻き起こす風がすごい強さだ。目が開けていられない。
心配していた摩利支天への分岐は、暗くなる前に着いたこともあって案外わかりやすかった。トレースもバッチリある。時間は17時半。やはり下りは早い。ザックをデポしてアタックに変える。登り始めてすぐに県警が通りかかり心配されてしまう。さもありなん。

遭難発生
摩利支天出合〜摩利支天〜摩利支天出合 17:30-19:30?

トレースをたどるとすぐに下段に着いたが、すでにヘロヘロ。こんな短いアプローチでアタックザックにかけておいたギアを紛失。帰路でも見つからなかった。なぜだ?
B氏はなぜか右から高巻いていくと言い張って右のトレースを一人で登り始める。俺たち2人はそこからすぐ上の左のトレースへ。下段を越えたあたりで沢筋へ強引にトラバースして出る。Bさんのヘッデンがやけに高い稜線で光っていて、沢の方に降りて来いと指示するも無理なようだ。やはりBさんに単独行動をさせるべきではなかったか。とりあえずさっきの出会いまで来た道を戻るように指示して俺たちは滝の下へ。左のトレースを辿って滝まで来いと叫ぶが、何度呼んでも反応が曖昧でちゃんと聞こえたのかどうか…。しばらくすると左側の尾根筋にヘッデンが見えたので安心してツェルトをかぶる。やけに寒い。今考えるともうこのあたりで深刻な体調不良に陥っていたと思う。あんなに登りたかった摩利支天だったのに、やる気もだんだん失せてきた。
ところがBさんがいつまでたっても登ってこない。ツェルトをめくって目をこらしてもさっきまで見えてたヘッデンの光が見えない。大声でBさんの名前を呼ぶとかすかに反応?どういう状況かまったくわからない。おそらく沢へトラバースせずに稜線沿いのトレースにしたがってそのまま上へ上へと行ってしまったんだろう。しかしひょっとして声も出せない状況なのでは?と最悪の事態も頭をよぎり、あわてて撤収して来た道を戻る。元のトレースまで戻ったところで連呼して待っているとBさんが上から降りてきた。やはりトラバースしたトレースに気づかず上に抜けてしまったようだ。トレースさえ辿っていれば安心と思っていたらしい。
やはりBさんを単独で行かせるのは無理があった。最悪の事態は免れたが、右の巻き道でBさんが行き詰まった時点で元の分岐まで戻らせて待機させておくべきだったな。夜間行動だし、ルートの見極めができないと簡単にはぐれてしまう。Bさんの実力をやや過大評価してしまっていたかも。

大休止
大休止 19:30?-20:40

Bさんとも無事合流しザックをデポした南沢登山道との分岐まで戻る。落としたギアは見つからず。戻ってツェルトを出し休憩。すごいツェルトの使用頻度だw。一回の行動中に2回は取り出しているw。この辺から深刻な体調不良。動く気力もなく何も口に入れる気が起きない。銀シートにくるまり横になると少しラクになった気がする。やたら寒い。

下山再開
摩利支天出合〜美濃戸山荘 20:40-24:00?

20時40分になり下山開始。ここからなら2時間もかからないはずだ。22時過ぎには着くだろう。
動き始めは快調だった。一定のペースで先導する。途中小用で立ち止まり、ケツについてから不調が本格的に訪れる。100歩も行かないうちに動けなくなりザックを降ろして休憩を繰り返す。下りだから心肺に負荷はそれほどかかってないはずだが息が切れる。吐き気もだんだんひどくなる。何度か横になってウトウトとした。短いはずの帰路が果てしなく遠く感じる。少しずつでも進まないと、と歩き出すがすぐに動けなくなる。アックスをついて休むために身をかがめるとまた吐き気。何度目かの休憩でアックスすら置き忘れそうになる。ひどい状態だ。少し進んでは横になって休憩を繰り返すうちに吐き気がピークに達してゲーゲーと戻す。一瞬呼吸困難になりかけた。固形物は何も出てこない。最初のうちはさっきの休憩で飲んだ紅茶だったが途中から胃酸に変わる。食道が焼ける感じ。鼻の奥がツーンとする。吐き気が収まるまで吐けるだけ吐いて歩きはじめる。吐いてすっきりしたおかげで前より歩きやすくなった。しかしまたしばらく行って動けなくなり休憩。雪がちらつきはじめた、急がなければ。動けなくなってしまう前に駐車場までたどり着かねば。
休憩の間隔は吐く前より長くなった。かなり来ているはずだ、もう少しだ、と言い聞かせるが近づいている感じがまったくしない。南沢大滝はもう過ぎたんだったか?美濃戸の滝はまだだろうか?
目の前に堰堤のような物が見えてきた。近づくと堰堤ではなくパイプを渡してある水道橋のようだ。階段でパイプを越えると小屋の明かりが見えた。あとちょっとだ。フラフラで車にたどり着く。時間を聞いたら2時間ほど遅れていたらしい。アイゼンをはずす気力もなく後部座席に滑り込む。寒い。

移動(帰路)
美濃戸山荘〜名古屋 24:00?-04:00

下の駐車場でアクエリアスの補給。やっとのことでアイゼン・スパッツを外し野人の寝袋を借りてもぐりこむ。コンビニに着いても財布を取り出す気力がなく動けない。ひどい消耗だ。
名古屋まで動けないままの帰路。山で吐いたのは初めてかもしれないな。吐きそうになったことは何回かあったが。