にっき

夕暮れに歩道橋を降りたら、足元にカラスがうずくまっているのに気付いた。どうやら羽根と足を傷つけてしまっているようで、飛ぶことはおろか跳ねることも満足にはいかないらしく、捨て猫のように(という喩えはおかしいが)見上げていたのに目が合った。
どうすることもできずじっと眺めていると、動けないながらもクチバシを大きく開いて精一杯威嚇しようとしてくるが、その様がむしろかわいらしく思えてくる。クチバシの中はきれいなピンクで真っ黒な外見とのコントラストが余計にかわいらしさを増すのであった。
そうしているとバサバサと頭の後ろを黒い風が何度か吹き抜けたようで、振り返るともう1羽のカラスが首の羽毛を膨らませてこれもまた威嚇してくる。カラスは仲間意識が強くて報復したりするというが、きっとこの傷ついた方がメスで、こっちのは恋人かなんかなのかも知れないと思った。
愛だなぁ〜
でもこれだけ傷ついてしまうときっともう生きてはいけないだろうな。悲しいけれど
とりあえずそれ以上考えるのはやめて図書館に向かったのでした