玉蹴りの話

俺はサッカーファンではないのでよくわからずに言うんだが、なぜか俺の中に「日本が強くなることに対する漠然とした恐怖」、というものがあって、強豪国と対戦するとき、心のどこかで「負けて欲しい」と願ってしまう。日本は着実に強くなっているし、デンマーク戦もけしてフロックではないと観ていて思うがそれでも欧州予選をトップ通過したデンマークをくだしての勝利に漠然とした不安を感じてしまうのはなぜなんだろう…格下でいることに安心していたい。格下のままで、たまに良い試合をする程度の国でいいんじゃないかと思ってしまう。「もう十分だからパラグアイに負けてくれ」と願ってしまう
もう全部素人のたわ言と思って聞いてもらいたいが、たとえば毎大会優勝を期待されるような国があって、とうぜんながらそういった強豪国の代表メンバーや監督はもの凄いプレッシャーにさらされるわけだけど、俺の中であの辺の領域というのはもうなんというか魔物の領域というか選手はともかくとしても、ワールドカップぐらいしかサッカーの話題で盛り上がらない日本人には耐えられないんじゃないだろうかという懸念があって、やっぱそういう強豪国というのはそこに成熟したサッカー文化、というのは、まったく公平でないにしてもサッカーに精通したスポーツメディアであるとか、最高レベルのクラブチームやリーグであるとか、なによりも熱狂的なサポーターの存在であるとかという背景があればこその強豪国なんではないだろうかと。あの領域に選手と監督を送り込むにあたってだな、それに見合うだけの熱狂をわれわれ日本人は捧げていると言えるのだろうか?われわれの熱狂は十分だろうか?さらなる熱狂をさらなる熱狂を。せめて日本の強さに見合った熱狂を私たちは提供しなくてはならないのではないだろうか?