功殻 SAC SSS

んー
毎回「ネットは広大だわ」で締めるのもどうなんだろうね
素子の同位体としての傀儡廻しとの対決はもう少しやりようがあったのかも。スナイパー対決を削ってでもそっちに重点を置くべきだった。トグサの自殺未遂もシナリオの幹からすると若干枝ぶりが大きすぎる。それが悪いというわけではなくてむしろ良すぎる。最終的な印象がどうしてもそっちに傾いてしまう
原作がドライなだけに神山・中村コンビとしてはもう少し(ほのめかす程度に)ウェットにもっていっても良かったんじゃないかという気がする。そういう意味では押井の場合、良くも悪くも押井っぽさが貫かれてるんだよな
まあシリーズ全体通して、原作の設定やエピソードをうまく換骨奪胎しつつも一定のクオリティを保っている点では、なかなか稀有なシリーズといえる。士郎自身のブラックマジックに関わった経験から得た原作者としての立ち位置の取り方にもよるのかもしれない。気になる点といえばバトーと素子の距離感が原作に比べ若干近しいニュアンスで描かれているところぐらいだろうか。それも鼻につくほどではないが。この作品は新たな映像化という意味では士郎正宗ファンとしてうれしくもあるけれど、テレビシリーズのボリュームを増やした程度の内容で、GiTから10年以上を経た単体作品としての目新しさはない。まあその辺をやりすぎないところが良くもあり、悪くもあり。そういう意味では原作としての漫画作品はもう作家自身の手を完全にではないにしても離れてしまったのかも知れないな。というか俺からすれば全部2次創作に過ぎないってだけなんだけどね