http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20100117/p1

* ところで、ぼくは30年以上も前から、プロの編集者抜きに手軽でアナーキーな本作りをしてきた場所を知っている。コミックマーケットだ。たぶん個人が電子書籍を出すという風景は、コミケの参加サークルのそれとすごく似たものではないか。

* ここでコミックマーケットがもつ経済規模を思い出してほしい。そこではわずか3日間で数十万人が殺到し、億に近いお金が動く。そこに関わる人々は、そのまま電子書籍の著者になり顧客になるだろう。

* 電子書籍が普及した未来。それは既成の出版社とコミケが、同じスタートラインに立ち、ヨーイ・ドンで競争をする未来であるはずだ。それを辛いととるか好機ととるかは、あなた次第。一つだけアドバイスすれば、紙や印刷への執着を捨てること。

* ただし、現状のコミケはゆっくりと終わりを迎えるだろう。年に2回、お台場に行かないと本が手に入らないという祝祭性がコミケの隆盛を支えてきたけれど、それはやはり永遠ではない。つまり既成の出版社と同じくらい、コミケにとっても電子書籍は「黒船」だったのだね。