GSG-9
昨日も書いたGSG-9(国境警備隊第9班)ですが、1972年のミュンヘンオリンピックにおける最悪のテロ「黒い九月事件」を契機に設立され1977年「ルフトハンザ航空181便ハイジャック事件」で世界中にその名を馳せた名門中の名門ですね。設立時はSASに指導を受けたようですが、日本のSATもGSG-9に研修派遣をするなど装備・訓練において世界中の対テロ部隊の基準となる部隊です。
警察系特殊部隊ですがHALO(高高度降下低高度開傘)、HAHO(高高度降下高高度開傘)、ヘリ降下、EOD(爆発物解体処理)、通信技術、応急処置、潜水、車両高速運転技術、警察科学、法律など訓練内容は多岐にわたります
ドイツ国内にはSEK(ドイツ地方警察特別出動コマンド)もあり、国内の凶悪犯罪はSEK、政治テロ・国際事件はGSG9と担当が分かれているようです。アメリカにおけるSWATとデルタフォースのような関係でしょうか
黒い九月事件は何度か映画化されており
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ルフトハンザの事件を直接的に題材にはしてないもののハイジャック機への突入と人質救出作戦を描いた映画で『特攻サンダーボルト作戦』というのもあったんですがAmazonには見当たらないようです
SAS
スペシャル・エア・サービスはイギリス陸軍の特殊部隊でそもそもは人質救出などを目的としたエリート集団ではなく、航空機に対する破壊活動を主に行う小規模な部隊だったようです
機関銃を取り付けた武装ジープで最前線を大きく迂回して砂漠を踏破、敵の飛行場に機関銃を乱射しながら殴り込み、駐機中の航空機をダイナマイトで爆破し、コクピットに手榴弾を投げ込んで破壊した他、ジープに取り付けた重機関銃を乱射して戦闘機や連絡機などの小型の軍用機を穴だらけにした。爆薬類が尽きると計器や方向舵を手斧で破壊し、最終的に300機以上に損害を与えたという。
映画顔負けの豪快さですね。
SASは訓練内容や装備などながらく不明なままでしたが、1980年、ロンドンで起きた「イラン大使館占拠事件」での突入がテレビ中継されその姿が明らかになりました。他にもモガディシュでのGSG9の支援や在ペルー日本大使館事件での作戦指導なども行っていたようです。現在では非常に多くの特殊部隊がSASをお手本として創設されており、文字通り原型とも言える存在です。GSG9と違い陸軍に所属しており、要人警護に限らずフォークランド紛争や湾岸戦争、イラク戦争などにも派兵されています
SASに限らず特殊部隊というのはその装備を公開するだけでも手の内を敵に晒すことになるため、存在すら秘匿されるものでしたが現在では以前よりは積極的に公開しているようでYouTubeなどでも関連動画を目にすることができます。
SASを取り上げた映画では
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他に元SAS隊員2人がそれぞれ湾岸戦争での同じ作戦を描いた『ブラヴォー・ツー・ゼロ』と『ガルフ・ウォー』という映画があるんですがこちらもAmazonにありません
同じ作戦を描きながらも隊員であったクリスと部隊長マクナブとではそれぞれまったく異なった印象を持っていたことがわかります
http://hanran.tripod.com/terro/c-uk.html
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デルタフォースとSWAT
アメリカは法執行機関とそれぞれに属する特殊部隊が多すぎで陸軍のグリーンベレー、海軍のSEALSのほかにも空軍や海兵隊の特殊作戦群、沿岸警備隊所属のTACLET、FBI所属のHRT(人質救出チーム:Hostage Rescue Team)など質・量ともに非常に多岐多彩であります。中でもデルタフォースは1977年のモガディシュの事件を契機に創設され、SASをお手本として編成されました。長らくその存在を秘匿されていたものの駐イラクのアメリカ大使館人質救出事件「イーグルクロー作戦」の失敗により、悪い意味で世界にその名を知られてしまいました。
その失敗により各特殊部隊を統括すべくSOCOMが設立。現在デルタフォースもSOCOMの指揮下、国防省直属にある、ということのようです
デルタフォースを扱った映画は多いのですが
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それに対しSWAT(特殊火器戦術部隊:Special Weapons And Tactics)は凶悪化・重武装化するアメリカ国内の犯罪に対処する為に警察に配置されています。しかしその運用・形態はそれぞれの州・郡における警察組織によってさまざまであり。普段はパトロールを行い、事件が起きると出動をするパートタイムであったり、SWAT専従のフルタイムであったりと勤務形態にも違いがあるようです。
主要任務は、普通の警察官では対応しきれない凶悪犯罪(立て篭もり事件など)への対処である。 映画などに登場するSWATは、閃光弾を投げ、一気に突入する「ダイナミックエントリー」を用いることが多いが、実際のSWATの突入方法は、「サーチ&リカバリー(捜索と回復、安全確保)」が基本である。室内に入る際は、入念な打ち合わせを行い、先頭の隊員は捜索用の柄付き鏡、ラジコンカメラ、ボールカメラなどを使い、室内を慎重に捜索し、確認を行う。そのため、一つの部屋に入るのに30分を費やすこともある。また、人質の存在や二次被害の発生を想定して活動するため、映画のような激しい銃撃戦になることは殆ど無い。
実際の立てこもり事件の多くは、犯人が交渉人の説得に応じて投降し、解決するため、SWATが実力行使をする事は滅多にない。そのため、突入班・狙撃班員達はこれを評して、「SWATは、Sit,Wait,And Talking(座って、待って、喋っている)の略だ」と自らを揶揄している。コロンバイン高校銃乱射事件や、バージニア工科大学銃乱射事件のような凶悪事件は、アメリカにおいても非常に稀な事件である。
しかし実力行使をしなくても解決する事件が多いということは、それだけSWATの存在が脅威として認識されているためでもあるでしょう。「逃げ切れない」「殺される」と思えばこそ説得に応じ、投降してくるんだと思います
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