デート

彼女の愛情があまりにもけなげで率直なので、多少の罪悪感を感じないわけではない
年長者に対する無条件な尊敬に、申し訳なさを感じることもある
それでも、モラリティが内部崩壊してないのは、失う、ことに恐れを抱いていないからだろうか

人に何かをあげることは、奪うよりずっと難しい

すべてが、どうでも良いことだとも思うこともある
生きることも、死ぬことも、意味のあることも、無いことも
愛する人がいて、愛してくれる人がいて、束縛することもされることもないとしたら、それ以上に美しい関係はないんだろう
ただ未来だけが、そこにはないのだとしても、その一瞬一瞬の真実が揺らぐわけではない
そのことだけは強く確信を持っている