社会か監獄か

 お互いに
 君と僕と恐れている。


 お互いに
 君は僕に対して、僕は君にに対して、
 自分を保護するために、
 ここに社会という組織を作った。 

 君は僕の敵だ。
 僕は君の敵だ。 

 君は僕がやるに違いないと思い、
 僕は君がやるに違いないと思う、
 あらゆる悪意と暴行に対して、
 民法や刑法の幾千箇条を定めた。 

 これが
 君と僕の社会だ。
 君と僕の監獄だ。

大杉 栄/社会か監獄か(1913.04)