ヒットラー 〜最期の12日間〜

ESの監督


タイトルがあらすじのすべて
およそ映画的なカタルシスや感動的な描写、勇ましく勇敢な戦闘シーンは一切出てこない
ただ狂信と妄執、裏切りや逃避、死、そして死体で埋め尽くされている
とにかく最初から最後まで負け戦なのだ
やたら長く感じられるのはそのせいか
どんでん返し、という気のきいたものはない
出てくる奴らはみな、無駄なことをし、無謀な命令に従い、あるいは背き、そして死ぬ
ほとんどは犬死だが


ただの一兵卒からのし上がった小男が、ごくわずかな期間とはいえヨーロッパを席巻した、という事実に、改めて歴史の不可思議さを感じる
アレキサンダー大王もナポレオンもヒトラーも、とるに足らない身分からのし上がり、あわや大陸を制す一歩手前までいったが破れ、失意と孤独と裏切りのうちに死んだ


面白いかどうかはおいて、観るべき映画の一つ