シャボン玉とんだ…

78 名前: 転載君 投稿日: 2000/08/07(月) 22:27
【しゃぼん玉(作詞:野口雨情、作曲:中山晋平)の秘密】
 この歌は大正9年(1920年)に雑誌『金の船』に掲載されました。
屋根まで飛んでこわれて消えるしゃぼん玉・・、綺麗ですがもの悲しい
印象を受ける詞です。野口雨情は『しゃぼん玉』を作る前、明治41年
(1908年)に北海道小樽で、生後7日の長女を喪っています。
生まれてすぐにこわれて消えるしゃぼん玉・・、これには夭逝した長女
への鎮魂歌であるという解釈もあるようです。現在では楽しく歌われて
いる『しゃぼん玉』ですが、こうした背景を思い浮かべますと、私は目が
潤んでしまいます。
 曲のほうにも注目すべき点があります。『しゃぼん玉』の曲は中山晋平
作曲となっていますが、実は『Jesus Loves Me, This I Know』の前半
部分と非常に酷似しています。恐らく中山晋平は『Jesus Loves Me,
This I Know』をもとに『しゃぼん玉』を作曲したのではないでしょうか。
『Jesus Loves Me, This I Know』は、1859年にアンナ・ワーナーに
より作詞、1862年にウィリアム・M・ブラッドベリーにより作曲された
賛美歌です。この曲を日本へ持ち込んだのは、横浜のフェリス女学院の創設者
であり、日本初の独身婦人宣教師であるメアリー・E・キダーであるとされて
います。もともと賛美歌として作曲された曲を原曲とする『しゃぼん玉』の曲が、
形を変えて(宗教色を消して)、野口雨情の詩とともに愛唱歌として歌い継がれて
いるのは、いかにも日本らしいところであると思います。