冬山後記

またピークには立てず、というか立つべく体力も知識も装備もなく。ただ冬の厳しさを実感しにいっただけ、というのが嘘偽らざる感想であろう。松本のICIで、型落ちのV4が4万切ってたので後先考えず即買いし、結果的にはそのおかげでなんとか助かったようなもの。内室が全面メッシュのほぼ夏限定のMSRじゃ凍死はまぬがれなかっただろう、というのは結構マジな話。

釜トンネルの中もまったく凍結してなくて、ふつうに歩けた。トレースがしっかりしてるので、今回明神までしか行ってないがたぶん徳沢園まではつぼ足で余裕だろう。スノーシューとワカンを持って行ったが今回使いどこがなかった。スノーシュー使ってる人は多かったが、やっぱあれは遊びにしか使えないという印象。上高地には、なんだかんだで毎年1500人ほど入山するそうだから、人は多い。ツアーできてる団体もいて、なかには「大丈夫か?」という装備の人もいた。スパッツぐらいは付けた方がいいと思うが。高いもんじゃないし。

収穫として、ユニクロのアンダーウェアはわりと使い物になることが分かった。ジャケットは、厳冬期にはやはり厳しい。3000円じゃこれが限界かwKELTYのジャケットは別に悪くはないのだが、ベンチレーションがまったくない、というのと透湿性がまったくないので中で結露しまくりだ。羽織ってもあったかくならないジャケットは激しく萎える。やはりというか当たり前だが、安心感は2万ぐらいださないと手に入らないものらしい。
サイト中の防寒着は必須である。なにしろ、出発するとき着ていたものがウェアのすべてだったので、もうそれ以上着込むことはできなかったのだ。それでも-5℃あたりまでは楽勝だった。-10℃を越えるとかなりつらい、ってかムリ。寝袋から一歩も出れなかった。-15℃まで使用可能な初代のダウンハガー#2にシュラフカバーとライナーをつけて3重構造にしたが、やっぱり寒い。寒すぎる。

いちおう次の目標を2月の鈴鹿に決めた。藤原か入道のどちらかになるだろう。ここ5年一度もピークに立っていないのでまずはそこから始めなければ。往年の体力を考えると、衰えようが著しい。まずは鈴鹿のピークに立てる体力を付けないことには、北アのピークなどただの幻想だ。2月の鈴鹿はけしてラクではない。たぶんというかむしろ上高地より数段厳しい。日帰りのつもりだがアイゼンとピッケルと防寒着は必須だ。あとの装備は大体揃ってる筈なんだが知識面と技術面では相変わらず不安が残る。場数をこなすほどの時間的余裕もないし、素人がいくら場数をこなしたところで限界があるだろう。どこか山岳会に所属することもいちおう頭に置いておくこと。

今年の目標は活動日数20日。それぐらいはなんとか確保したいものだが…